海外FXボーナスに税金はかかるのか?ボーナスを利用した節税方法とは?

海外FXボーナスの税金はどうなるのか、どのように計算すればよいのか確定申告の際に戸惑う方は多いのではないでしょうか。確定申告では、利益や経費の科目を区分して記載する必要があります。

ボーナス自体は出金不可となる場合も多いため、そもそもボーナスに税金がかかるのか気になるところですよね。ボーナスにも出金可能なもの、現金キャッシュバックされるもの、取引のみに使える証拠金でしかないものなど色々です。

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今回は海外FXボーナスに税金はかかるのか、かかる場合の税金の計算方法やボーナスを利用した節税方法などを解説していきます。ぜひ、参考にして下さい。

海外FXのボーナスは税金の対象?

海外FXのボーナスは税金の対象?

そもそも海外FXでもらったボーナスは税金の対象となるのでしょうか。海外FXボーナスを税金の対象とするかどうかは、まずそのボーナスが現金で払われるのかどうかで異なります。

海外FXボーナスは大きく2つのタイプがあります。

  1. 証拠金としてのみ使えるボーナス(現金ではない)
  2. 現金がキャッシュバックされるボーナス(現金)

現金で付与されるボーナスは税金の対象

基本的にキャッシュバックなど現金で付与されるボーナスは税金の対象となります。

キャッシュバックタイプのボーナスには、金利ボーナスや取引ボーナスがあります。

ただし、利益ではありませんのでFX所得とは別で計算します。キャッシュバックなど特典で得た金額は「一時所得」となり、一定額を超えると税金を払う義務が生じます。

現金で付与されないボーナスは税金の対象外

海外FXボーナスの多くは、出金不可で証拠金としてのみ使える金額です。現金として付与されないボーナスは税金の対象にはなりません。

口座開設ボーナスや入金ボーナスなどでもらう金額は、取引だけに使えるいわば架空のお金です。もし、ボーナスを現金に換金した場合は税金の対象です。現金に換金した分は「一時所得」として計算します。

ただし、ボーナスを使った取引にて利益が出た場合、利益分の金額はFX所得となり税金の対象です。FX所得は「雑所得」となり、一定額を超えると確定申告が必要です。

ポイントや賞金も税金の対象となる

取引で貯めたポイントやトレードコンテストの賞金なども現金でもらった場合は税金の対象となります。

貯まったポイントはボーナスや現金に換金できますよね。もし、ボーナスや景品に交換した場合は税金の対象外で、現金に換金した場合は「一時所得」として計算します。

トレードコンテストの賞金も、ボーナスや景品でもらった場合は税金の対象外です。現金でもらった場合は「一時所得」になります。

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以上のようにボーナスを現金でもらったかどうかが、税金がかかるかどうかを判断するポイントになります。原則として、ボーナスなどの利益以外の所得は「一時所得」として、利益とは分けて計算していきます。

海外FXの税金

海外FXの税金

それでは、海外FXの税金についてここで改めて確認しておきましょう。ここでは海外FXの利益=所得にかかる税金について解説していきます。

海外FXの税金はいくらから?

海外FXで確定申告が必要となるのは

  • 給与所得者 → 海外FXの利益が20万円を超える場合
  • 給与所得者以外 → 海外FXの利益を含めた所得が48万円を超える場合

税金の対象になる海外FXの利益とは

税金の対象となる海外FXの利益とは、必要経費を差し引いた金額=海外FX所得のことです。

海外FX所得 = 海外FXの利益 - 必要経費
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ボーナスを使って得た利益はFXの利益として計算しますが、キャッシュバックや特典でもらった現金は「一時所得」になるので分けて計算するようにして下さい。
必要経費にできるもの

海外FXの必要経費にできるものには以下のようなものがあります。

  • FX関連の書籍、DVD、情報誌、新聞など
  • FXセミナーの参加費、交通費、食事会など
  • 口座開設にかかった費用(コピー代、写真代など)
  • 通信費・プロバイダー料金の一部
  • PC、モバイル端末などの購入費用

など・・・

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FX取引に必要となる支出はすべて必要経費にすることができます。以下の記事では、海外FXの経費にできそうなもの一覧を紹介しています。必要経費を計上する際の参考にして下さい。

海外FXの所得区分

海外FXの税金は国内FXの税金とは所得区分や計算方法が異なるので注意して下さい。

国内FXの税金は申告分離課税の「先物取引等にかかる雑所得」となり、その他の所得とは分離して計算しなければなりません。税率は一律で20.315%です。

海外FXは総合課税の雑所得

海外FXの所得は総合課税の雑所得となるため、給与所得などその他の所得と合計した総所得額によって税率が決まる仕組みになっています。

海外FXは総合課税の雑所得

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/

課税対象となる総所得額 = (給与所得(事業所得)+ 海外FX所得 + その他雑所得)- 各種控除額
総所得額によって5%~最大45%の税金がかかります。プラス住民税が所得額の約10%かかります。

海外FX 税金の計算方法

給与所得者の場合で海外FXの税金を計算する方法を解説します。

1.課税所得額を計算する

給与所得(事業所得) + 海外FX所得 + その他雑所得(一時所得など) = 総所得額

総所得額 - 控除額(保険控除など) = 課税所得額

2.該当する税率で税金を計算
総所得額 × 税率 - 控除額 = 所得税
3.復興特別所得税と住民税を計算

所得税 × 2.1% = 復興特別所得税

課税所得額 × 10% = 住民税

住民税は扶養控除の特例など各自治体によって規定が異なりますので確認するようにして下さい。

海外FXボーナスの所得区分

海外FXボーナスの所得区分

ボーナスは現金でもらった場合に税金の対象となります。取引のみに使える証拠金として受け取った場合は税金の対象外です。また、ボーナスを使った取引で出た利益は通常通りFX所得として計算します。

では次に、ボーナスの所得区分や税金の計算方法を解説していきます。

一時所得となるボーナス

海外FXボーナスには

  • 口座開設ボーナス
  • 入金ボーナス
  • 金利ボーナス
  • その他取引ボーナスやポイントなど

上記のような種類があります。

基本的に口座開設ボーナスや入金ボーナスは出金不可の架空のお金なので対象外です。現金に換金したボーナスや、金利ボーナス・取引ボーナスのように現金でキャッシュバックされたものが「一時所得」となります。

一時所得とは

一時所得とは

  • 職務の対価として得た利益ではないもの
  • 資産の譲渡による対価として得た利益ではないもの

上記に該当する一時的な所得のことをいいます。

例えば・・・

  • 懸賞やキャンペーンの賞金
  • 個人的に支払われる謝礼金
  • 生命保険や損害保険の払い戻し金
  • 競馬や競輪の払い戻し金
  • 法人から贈与された金品

などが一時所得です。

海外FXボーナスは、キャンペーンや特典として支払われるものなので「一時所得」となります。

一時所得の税金はいくらから?

一時所得で税金がかかるのは、総額が50万円以上になった場合です。

年間で受け取ったボーナス(現金キャッシュバック)の総額が50万円を超えると、税金の対象となるので確定申告が必要です。

一時所得の計算方法

(総収入額 - 必要経費 - 特別控除50万円)× 1/2 = 課税所得額

総収入金額が50万円以下の場合は収入額が控除額となるので課税額はゼロ円です。総収入金額が50万円を超える場合は、控除額50万円を引いてさらに1/2が課税所得額となります。

海外FX 一時所得の計算例

取引ボーナスや金利ボーナス、トレードコンテストの賞金などで現金がキャッシュバックされたとします。

  • 取引ボーナスのキャッシュバック総額10万円
  • 金利ボーナスの利息の総額10万円
  • トレードボーナスの賞金100万円
  • 銀行振込み手数料など必要経費が総額2万円

(120万円 - 2万円 - 50万円)× 1/2 = 34万円

34万円が課税対象となる一時所得です。

一時所得の税率

海外FXボーナスで得た一時所得の税金は総合課税としてその他の所得と合算で計算します。総所得額の金額に応じて税率が決まります。

一時所得の税率

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/

給与所得(事業所得)+ 海外FX所得 + 一時所得(ボーナス)= 所得総額

所得総額 - 控除額 = 課税所得額

課税所得額 × 税率 - 控除額 = 所得税

というように一時所得の税金は、その他の所得の総額によって税率は変わる仕組みになっています。

ボーナスを使った節税方法

ボーナスを使った節税方法

海外FXのボーナスで課税対象となるのは、現金でキャッシュバックされた金額のみとなるので、おそらく年間の総額が50万円を超えるケースはそんなに多くないと思います。金利ボーナスや取引ボーナスをもらったとしても、年間の総額は数万円程度で収まるケースがほとんどでしょう。

しかし、ここで課税対象にならないだろうとボーナスの金額を軽視してはいけません。このボーナスのおかげで、実は思いがけず効果的な節税が実現できるのです。

海外FXの税金はもともと総合課税となり、稼げば稼ぐほど税率が高くなる仕組みになっています。ハイレバレッジで有利な取引ができるものの、税率の高さが海外FXの最大のデメリットとなっています。少しでも税金を安くしていきたいと思う投資家は多いでしょう。

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ボーナスが課税対象かどうかにかかわらず、額面上の金額はそれが仮に出金不可な証拠金だったとしても節税に活用することができるのです。

それでは最後にボーナスを活用した節税方法を解説していきます。

口座開設ボーナスは節税に活用できる?

まず、海外FXの最も代表的なボーナスに口座開設ボーナスがあります。口座開設ボーナス自体は出金不可となり現金としては見なされなないため、基本的に税金の対象外です。

ボーナス自体は課税対象外ですが、利益分は一定額以上になると税金がかかります。FX所得として申告しなければなりません。では、口座開設ボーナスで損失を出した場合、損失額は計上できるのかが疑問になりますよね。

未入金ボーナスの損失額は計上しない

原則として、未入金ボーナスの場合は利益は税金の対象とはなっても、損失額は計上しないのが常識となっています。もともと元金がゼロ円なので社会通念上で、これを損失と計上するには、ちょっと悪質だなと判断されてしまうからです。

従って、未入金ボーナスがロスカットされたとしても、ここは潔く「もともと無かったお金」としてあきらめましょう。

資金との併用なら損失計上が可能

ただし、口座開設ボーナスの場合でも自己資金との併用であれば、損失計上するのが一般的です。口座開設ボーナスを未入金でもらったとしても、自己資金を使う場合もありますよね。あるいは、入金しないともらえない口座開設ボーナスも中にはあります。

自己資金とボーナスを併用しての利用であれば、ボーナス分も含めた損失額を計上することが可能です。
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どういうことかというと・・・詳しくは、次の入金ボーナスの項で具体的な事例を解説していきます。

入金ボーナスを節税に活用

入金ボーナスも入金した時にもらえる証拠金で出金不可となり現金としては見なされない金額です。ボーナス自体は税金の対象とはならず、利益が出た場合のみFX所得として計上します。利益が出ている時は入金ボーナスは税金とは全く無関係です。

ところが、口座開設ボーナスでも触れたように、損失が出た場合は損失額の計上が可能なのです。

入金ボーナスを使った取引にて損失が出た場合は、ボーナス分の金額と自己資金の金額を合わせて損失額を計上することができるのです。損失額を大きめに計上できることで、FX所得のトータルや雑所得のトータルを少な目に抑えることが可能になります。

入金ボーナスの損失額の計算例

入金ボーナスのメリットとして、自己資金がゼロになってもボーナスの額面が残っていれば取引を継続することができます。

例えば、100%入金ボーナスにて、50万円の入金で50万円のボーナスをもらったとします。

50万円 + 50万円 = 100万円 となり、100万円がなくなるまで取引ができるわけです。つまり、額面上で自己資金以上の損失額が発生してしまうわけです。そこであまり嬉しいことではありませんが、もしロスカットに合ったとすれば100万円の損失額が発生することになります。

実質のところ自己資金の損失額は50万円であっても、100%ボーナスによって損失額を2倍に増やすことが可能なのです。これは、1社のみの取引だったり他に雑所得がなかったりすると、あまり意味がありませんが、複数の海外FX口座を利用している場合やその他雑所得がある方には非常に役に立ちます。

中には自己資金がゼロになると消滅するボーナスもあるので、入金ボーナスを活用する際は注意しましょう。
複数の海外FX口座で通算できる
  • 海外FX業者A → 利益50万円(自己資金のみ)
  • 海外FX業者B → 利益50万円(自己資金+入金ボーナス)
  • 海外FX業者C → 損益100万円(自己資金+入金ボーナス)

というように、本来なら海外FXの申告が必要なところでも、トータルの海外FX所得を非課税にすることができるのです。

複数の雑所得で通算できる
  • 海外FX → 損益100万円(自己資金+入金ボーナス)
  • 仮想通貨 → 利益50万円
  • ネットオークション → 利益50万円
  • アフィリエイト収入 → 利益50万円

総合課税方式の雑所得であれば、所得の合算が可能となり海外FXの損失額を通算することが可能です。上記のように本来の雑所得は150万円になるところを、損益通算にて50万円に抑えることができます。

なぜボーナスの損失額が計上できるのか

ボーナス自体はもともと架空のお金です。どうして、ボーナスの金額分を損失計上できるかというと、このボーナスの金額が法律上はグレーゾーンとなっているからなのです。海外FX自体がそもそも金融庁の管轄にあるわけではなく、税制上で明確な決まりがない部分も多いのです。

理論的には、ボーナス取引で得た利益には課税義務が生じるのに、損失額の計上ができないのはおかしい、という考え方が一般的です。法律家などの専門家によると、とくに規定がない以上は、ひとまずはボーナス取引での損失額は計上して問題ないだろう、との意見です。

現金キャッシュバックのボーナスを活用

現金キャッシュバックとなる金利ボーナスや取引ボーナス、またはポイントの換金などは、総額が50万円を超えない場合でもFX所得とは分けて計上するようにして下さい。

キャッシュバックされた金額は口座残高に直接振り込まれるため、金額がわかりづらいのが特徴です。取引報告書には、キャッシュバックされた金額の詳細が表示されない場合もあります。

課税対象ではないだろうからと、そのまま海外FXの利益を計上すると余計に税金を払ってしまうことになります。海外FXの税金は累進課税で所得によって税率が異なります。小さな金額でも、軽視しないで海外FX所得額を少しでも抑えていくようにしましょう。

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海外FXの税金の計算方法や節税方法が以下の記事からご覧頂けます。ぜひ、合わせて参考にして下さい。

まとめ

まとめ

今回は、海外FXボーナスに税金はかかるのか、ボーナスを利用した節税方法について解説していきました。

海外ボーナスが税金の対象となるかどうかは、現金でキャッシュバックされるボーナスなのかどうかが判断のポイントとなります。現金キャッシュバックとなるボーナスには、金利ボーナスや取引ボーナス、また貯まったポイントで換金する場合があります。これらのボーナスは「一時所得」となり、FX所得とは分けて計算します。

ボーナスなどの一時所得は50万円以上からが税金の対象となります。ただ、50万円以下の場合でもFX所得からしっかりと差し引いておくことでFX所得を抑えていけます。また、入金ボーナスなど自己資金と併用して使うボーナスであれば、損益通算で節税に役立つことも解説しておきました。

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海外FXはハイレバッジがかけれるなどメリットも大きいのですが、税金の仕組みが異なるため所得が増えるごとに税率が高くなるデメリットがあります。必要経費や今回ご紹介した一時所得、ボーナスの損益通算などを上手に活用して少しでも税額を抑えていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人投資家、ライター、アナリスト。海外メディアを駆使した市場リサーチが強み。副業トレーダーを経て、フリーランスとして独立。 株式投資、FX、金プラチナ、債券、外貨預金、ETF・投資信託、不動産などの分散投資を得意とする。