ごく一部の海外FXでは「CURRENEX/カリネックス」というトレードプラットフォームが利用できます。「CURRENEX」とはどんなトレードプラットフォームなのか、使い方は?などと疑問に思うことも多いですよね。
海外FXでは約9割以上の比率でMT4かMT5が提供されていて、国内でもMT4・MT5に関する情報は豊富です。しかし、「CURRENEX」となると入手できる情報も限られています。
海外FXのCURRENEXとは
CURRENEXとは、
Currenex社の概要
本社:USA NY(ニューヨーク)
創立者:Gadi Maier
設立:1999
親会社:State Street Corporation
Currenex社は、海外では大手金融メディアから有名な賞をいくつも受賞していて、プラットフォームの性能・機能は高く評価されています。
トレードプラットフォーム「CURRENEX」をひとことでいうと、プロ向けの高性能なプラットフォームとなり、一般的に広く普及するというよりはや銀行などの金融機関、ヘッジファンドなどの投資機関、ファンドマネージャーや投資家、FX業者など特定の層に使われているプラットフォームだといえます。
CURRENEXの特徴
CURRENEXは、プロ向けの高性能なトレードプラットフォームといえる数々の機能を有しています。
CURRENEXの特徴を大まかに見ていくと、
- メッセージングAPIを提供 → 多数のLP(リクイデティ・プロバイダー)が相互に情報交換
- データセンターが世界で3か所 → ロンドン、NY、東京
- 多彩な注文方式 → GTC、IOCなど
- FaceID/指紋認証を採用 → 高度なセキュリティ
- 大口注文に対応 → プロの投資家・業者向け
などがあり、レベルが高いサービスを提供しているのです。
例えば、CURRENEXがAPI契約をしているLPは、世界中に60社以上あります。FX業者や金融機関、投資家などにとって、多くのLPからレートを提供してもらえるということは、非常に魅力的だといえるのです。
CURRENEXのメリットデメリット
CURRENEXのメリット
CURRENEXのメリットから見てみましょう。
1.高い約定力
CURRENEXのメリットの1つは、メッセージングAPIや多数のLPによって高い約定力を実現していることです。メッセージングAPIとは、日本のLINEのようにユーザー同士が相互にアクセスできるシステムのことをいいます。
レートを提供するLP(Liquidity Provider)の数が60以上と多いうえ、APIで効率よく情報交換できる仕組みになっています。LPの数が多くなるほど、提示される為替レートも多くなるため有利な価格で約定しやすくなります。しかもAPIでスピーディな情報提供が行われるため、約定スピードも向上するのです。
また、大口の取引であったとしても、60以上のLPによって問題なく約定できることもメリットになっています。
2.データセンターが東京にもある
CURRENEXのデータセンターは、NY、ロンドン、東京の3か所にあります。日本の投資家にとって、東京のデータセンターにアクセスできることは大変有利です。
トレード環境に力を入れている一部の海外FX業者をのぞいて、ほとんどの海外FXでは海外にMT4・MT5のサーバーを用意しています。地理的要因から、レイテンシーが起きて、どうしても約定力に悪影響を与えがちです。通常は、VPSサーバーを使ったり、東京にサーバーがある海外FX業者を選んだりなどの対策がとられています。
3.板情報が見れる
株式取引のように板情報が見れることもCURRENEXのメリットです。
CURRENEXでは、LPと直接取引ができる「ECN取引/電子取引所取引」が採用されています。
各LPや市場参加者が提供する価格や、注文状況、ボリュームなどが板情報で確認できます。市場動向が板情報から手にとるようにわかることで、市場の動きに合わせた戦略が立てやすくなります。
4.多彩な注文方法
そして、CURRENEXのもう1つのメリットは多彩な注文方法が搭載されていることです。
- 成行注文(Market)
- 指値注文(Limit)
- 逆指値注文(Stop)
- トレイリングストップ・ストップリミット注文(利確・損切り設定)
- OCO注文
- IFD注文(イフダン)
- IFO注文
- IOC注文
- BID/ASK注文
など、それぞれの手法に合わせた注文方法が利用できます。
プロ向け注文機能
また、本格派・プロ向けの注文機能もあります。
- 非公開注文 → 大口注文の量を非公開に設定
- アイスバーグ注文 → 大口注文を小分けに発注する機能
- ディスクレショナリー注文 → 指値に非公開の値幅を付け足す方法
なども選択可能で、ヘッジファンドや銀行向けの戦略も用意されています。
ワンクリック注文
もちろんワンクリック注文の設定も可能です。
5.スマホ・タブレット対応
CURRENEXはスマホやタブレットでもアプリをインストールして使えます。
- iPhone・iPad
- Androidスマホ・タブレット
と両方で使えるアプリを提供しています。
基本的にPC版CURRENEXと同等の機能性を維持していることがメリットで、スマホでも充実したトレード環境が確保できます。
- 見やすい画面
- 65種類のテクニカルツール
- 高度なセキュリティ機能
- 通貨ペアごとに注文保存機能
- ダブルタップ注文
CURRENEXのデメリット
次に、CURRENEXのデメリットを確認しておきましょう。
1.情報入手が難しい
CURRENEXはおもに金融業者やプロの投資家向けのトレードプラットフォームです。一般投資家向けに採用する業者は非常に少ないため、使える海外FX業者もごく限られています。当然ながら、CURRENEXを国内で利用する投資家の数も少ないため、情報入手が非常に難しいことがデメリットです。
- 日本語版の書籍がない
- 国内サイトでの情報が少ない
- 使い方のガイドや動画・セミナーがない
という状況です。
では、英語なら調べられるかといえば、そうとも言えないのが難点です。
2.初心者向けではない
CURRENEXはプロ仕様のトレードプラットフォームなので、基本的に「高機能 = 操作が複雑」になります。操作方法や使い方を調べたくても情報が少ないことから、初心者の方にはおすすめできません。
大手投資機関やプロのディーラーなどが満足できる、多彩な注文方法やテクニカルツールが搭載されていても、初心者にはあまり必要がない機能だったりもします。スタンダードな機能や操作性を求める方には使いづらいトレードプラットフォームです。
3.利用できる海外FX業者はごくわずか
そして、CURRENEXの最大のデメリットは、そもそも利用できる海外FX業者が極めて少ないことです。
実際のところ、日本で利用可能なメジャーな海外FX業者の中で、CURRENEXが利用できる海外FXは1社のみです。英語のみに対応している海外FX業者や、日本では利用不可な海外FX業者ではいくつかCURRENEXを提供しているようですが、これらは日本に住む投資家・日本語版で使いたい投資家には対象外です。
次の章で、CURRENEXが利用できる業者をご紹介しますので、参考にして下さい。
CURRENEXが使える海外FX業者
CURRENEXが使える海外FXは「TradeView」です。国内FXでは「外為ファイネスト」で提供しています。「TradeView」「外為ファイネスと」の特徴・概要を簡単に解説しておきます。
TradeView
TradeViewは英国ケイマン諸島の金融ラインセスにてFXサービスを提供している海外FXで、10年以上の実績を持ち、世界8か国で展開している大手の会社です。口座数が多いことやトレードプラットフォームの種類の多さが特徴で、約定力の高さでも人気があります。
提携しているLPは50以上あるので、十分に満足がいく約定力でトレードできるでしょう。ただし、CURRENEXが使えるCURRENEX口座は最低入金額が10万円以上となるので若干ハードルは高いといえます。
CURRENEX口座の概要
Currenex口座 | 詳細 |
---|---|
基本通貨 | USD、EUR、JPY、GBP、AUD CAD、CHF、MXN、ZAR |
注文方式 | STP方式 |
レバレッジ | 最大200~400倍 |
取引手数料 | 往復6ドル/1ロット |
最低入金金額 | 1,000ドル(100,000円) |
最低取引ロット | 0.1ロット=10,000通貨 |
ボーナス・特典 | なし |
ゼロカット保証 | あり |
外為ファイネスト
外為ファイネストのCURREXは2種類あります。
- PRO口座 → 上級者向け 通常のCURRENEXが使える
- EVO口座 → 一般投資家向けにカスタマイズされたCURRENEX
外為ファイネストではCURRENEXの使い方ガイドも提供しています。
CURRENEXの使い方
CURRENEXは、TradeViewまたは外為ファイネストで口座開設後にダウンロードまたはWEB版にログインすることができます。
ログイン
- 言語: 日本語(日本)
- サーバー: アジア
- 口座: 本番、デモ口座
- ユーザーID パスワード
- プロキシ―設定: 不要
以上を入力して「接続」を押します。
画面の見方
- 取引通貨パネル: レート一覧と注文ボタン
- ツールバー: 各種操作のアイコン表示
- チャート: 選択した通貨ペアのチャート表示
- ニュース一覧: ニュース配信が表示
- 口座情報: 注文状況・ポジション、口座残高、損益額などを表示
- 口座ステータスバー: 口座情報のメニュータグ
各ウィンドウは消去したりサイズを調整したりとカスタマイズできます。
チャートの表示
チャートの表示は「取引通貨ペア」を右クリックして、「新規チャートウィンドウを表示」を選択します。チャート画面の右上にあるアイコンからサイズや並べ方がカスタマイズできます。
チャート機能
チャート機能はツールバーのアイコンから操作します。右から順番に、
- チャートスタイル: ローソク足、カギ足、など12種類から選択
- 表示時間: 時間足の選択
- チャートの期間: チャートに表示する期間の範囲を設定
- テクニカル分析: 80種類のテクニカルツール
- ラインスタディ: 描画ツール
- 拡大/縮小
- チャートの保存
- 保存したチャートの読み込み
- 保存したチャートの消去
- カーソルスタイル:チャートに表示するカーソルの選択
- チャートの印刷
などの操作が行えます。
注文方法
注文画面は、「取引通貨パネル」の「買い」か「売り」をクリックすると表示されます。
- マーケットスリッページ: 許容できるスリッページを設定、不要な場合はチェックをはずす
- GTS: スリッページ設定の有効期限
- 損切り・利食い設定: 損切り価格と利確の価格を設定、不要な場合は設定しない
「発注」ボタンを押すと、注文が発注されます。「消去」を押すと注文がキャンセルできます。
「チャート」からも注文することができます。
注文したいレートの場所にカーソルをあてて右クリックします。「買い」か「売り」か選択すると発注画面が表示されます。
決済方法
成行で決済する場合は口座情報のポジション欄にある「決済注文」または右上の「全ポジション一括決済」から注文できます。
決済したい数量を選択して「発注」を押します。キャンセルは「取消」を押します。
指値・逆指値で決済する場合ポジション欄の「プロテクト」をクリックすると決済画面が表示されます。
以上がCURRENEXの基本的な使い方です。
まとめ
CURRENEXは、銀行やヘッジファンドなどの金融機関・投資機関、そしてプロのディーラー・投資家などがメインで利用する高度なトレードプラットフォームです。プロ仕様となるため、一般的にはそこまで普及していないのが現状です。
CURRENEXを使いたい場合は、必然的に海外FXでは「TradeView」のみとなります。選択肢がないので不安に思う方もいるかもしれませんが、「TradeView」は国内でも比較的に知名度が高く、しかも信託保全を採用している数少ない海外FX業者なので安心です。