ハイレバレッジで取引ができる海外FXは国内FXとはどのように異なるのでしょうか。海外FXにも国内FXにもそれぞれメリットやデメリットがあり、どちらがおすすめなのか一概にはいえません。
投資家それぞれのトレードの目的やスタイルによって、どちらが適しているのか変わってきます。
海外FXと国内FXの仕組みや特徴を比較していくことで、投資のタイプ別にどちらを選ぶべきなのか見えてくるでしょう。
FX口座は国内FXだけではない
FX口座をつくろうと思った時に、当然ながら国内のFX業者の中から自分に合った業者を選ぶ人がほとんどです。国内のFX業者でも、様々なタイプの口座・ツールやサービスがあり迷ってしまうのですが、実は海外FXも選択肢の1つなのです。
海外FXと聞けば・・・
などと、疑問に思うことや不安に思うことも多いでしょう。
海外FXも選択肢になる
確かに、海外FXは国内の業者とはいろんな部分で仕組みが異なります。戸惑うこともあるかもしれませんが、日本語サポートや日本語サイトも用意してあるため、トレード自体は国内の業者と同じように使っていただけます。思った以上にハードルは低いといえるのです。
利用するFX口座を選ぶ時には国内だけでなく海外の業者もぜひ視野に入れておきたいものです。実際に国内でも、あえて海外FX業者を利用する投資家は増えてきています。
投資家、トレーダーの目的やスタイルによって、どちらの方が適しているのか変わります。それぞれ自分に合ったFX業者、効率よく稼げる方法を選んでいきましょう。
国内FXの特徴
国内FXとは
基本的に、国内に本社を構えるFX業者のことです。日本の金融庁の認可を得ており、金融商品取引法、外国為替証拠取引の登録を受けた業者のことです。
金融商品取引法ではFXのことを外国為替証拠金取引といいます。
国内のFX業者は、金融庁の認可を得ずに日本の居住者に対してFXサービスを提供することは禁止されています。一般的に知られている国内FXの業者はすべて登録を受けていると見なすことができます。
海外に本社を構える業者であっても、支社が国内にある場合は必然的に金融庁の規制に従って登録を受けなければなりません。従って、海外の業者でも国内FXに分類される業者もあります。
金融庁が定めるFXの規制
FXはすでに皆様もご存じのように高いリスクが伴う取引です。 したがって、金融庁では投資家を保護するために以下のようなルールを設けています。
レバレッジ制限
個人がFX取引を行う場合は、通貨ペアの種類を問わず取引金額にて4%以上の証拠金を差し入れ、維持する必要があると定められています。これをレバレッジに換算すると25倍以下の計算になります。
国内業者は25倍以上のレバレッジにてサービスを提供することが禁じられているのです。
ロスカットルール
金融商品取引業者(FX業者)は、FX取引を取り扱う際には、投資者の損失の拡大を防止するためにロスカットルール―を定めることが規定されています。
評価損の金額がある程度のレベルに達した場合、業者は強制的に決済して取引を終了させる必要があります。
証拠金の管理方法
また、FX業者は万が一業者が破綻した時でも顧客の資産を保護することが義務づけられています。信託銀行などへの金銭信託によって、顧客から預かった資金と自社の資産を明確に区分して管理しなければなりません。
預け入れた証拠金は、金融商品取引所にて預託されており、万が一の時には顧客に預かった資金が払い戻される仕組みになっています。これを信託保全制度といいます。
国内FX業者は
- 国内に本社、支社があり日本の居住者へサービスを提供している
- 金融商品取引業の登録・認可を受けている
- 日本の金融庁が定める規制に沿って業務を行っている
以上が国内業者の大まかな特徴になります。
海外FXの特徴
海外FXとは
海外FX業者は、金融庁の認可を得ていませんので、それを理由に安全ではないと判断する人もいます。しかし、実情は規制を受けずに自由にFXサービスを提供するために、あえて認可を得ていないのです。
海外FXでは、ハイレバレッジがかけれることが最大の魅力になっています。日本の規制に従えば25倍以下にとどめる必要があり、FX本来の魅力が大幅に軽減されてしまいます。
海外FXも運営元や親会社、本来の法人設立国は様々です。グローバルにFXサービスが展開できるように、海外FX業者の多くは規制が緩い国にて本社・子会社・支店など拠点を構え、金融ライセンスを取得し営業しています。
海外FXの金融ライセンス
イギリス(FCA)
海外で最も信頼度が高いといわれている金融ラインセスがイギリスのFCAです。
イギリスの中央銀行、イングランド銀行の管轄のもとで規制が行われており政府とは独立した金融サービスの監視機関になります。イギリス国外の会社でもFCAのラインセンスを得ることが可能なので、本拠地がイギリス以外の業者でも取得しているケースがあります。
FCAでは厳格な審査があり、基準を満たしていない場合はライセンスの取り消しが行われるため、このライセンスを保有する業者であれば極めて信用できる業者だと見なすことができます。
キプロス(CYSEC)
キプロスはEUの加盟国で地中海に位置する島国です。このキプロスの金融ライセンスCYSECも信頼性の高さで上位にランクインします。
CYSECで認可を取るためには、イギリスFCAと同等の厳格な基準を満たすことが必要なのです。なかなかライセンスがおりにくいことで有名で、ICFと呼ばれる投資家保証基金への加入も義務付けられているため、資金の保証が最大で240万ユーロとなっています。このラインセンスを取得している業者であれば安全だとといえるでしょう。
ニュージーランド(FMA)
次に覚えておきたい金融ライセンスは、ニュージーランドのFMAです。以前は割と緩めだったニュージーランドの金融ライセンスは、監督機関が改善され今は規制が厳格になっています。
ニュージーランドには、金融業者の名簿を管理するFSPRという組織があります。混同されることがあるのですが、金融ライセンスとは関係ないので注意しましょう。
ニュージーランドFMAを保有する業者なら安全性は高いです。
なぜなら、人気があり日本人顧客が多いFX業者ほど、日本の金融庁からの圧力があるため、圧力を受けにくい国・規制が緩い国へと拠点を移さざるを得ないからです。
その他の金融ライセンス
十分に信用が高いFX会社でも、マイナー国の金融ライセンスを日本人向けのサービスのために取得している場合があります。
- ベリーズ(IFSC)
- セーシェル(SIBA/SLA)
- 英バージン諸島(BVI)
- ケイマン諸島(CIMA)
- マルタ(FSA)
- ロシア(CRFIN)
法人登録のみで営業しているケースもある
また、近年ではとくに日本の投資家による海外FXの利用が増えているため、日本の金融庁から他国の金融庁への圧力が強くなっています。ある程度の実績・信頼を得ている海外FX業者の中には法人登録のみの営業へと切り替える動きも見られています。
年々、海外FX業者は日本向けにFXサービスを提供することが難しくなり、日本向けのFXサービスのみを法人登録だけで営業するケースも増えてきています。ですから、必ずしも金融ライセンスを取得していないから怪しい会社だとは限らないのです。
海外FXと国内FXはどちらがよい?
ここまでは、国内FXと海外FXの根本的な金融ライセンスの違いを解説していきました。
海外FX業者は
- 日本の金融ライセンスを所有していない
- 日本の金融商品取引法の規制を受けない
- 本社・支店、業者の拠点が海外にある
- 他国の金融ライセンスを取得している
- 法人登録のみで営業している
などが、国内業者と分ける基準になります。
ハイレバレッジが可能なら海外FXの方が稼げるのではないか、海外FXの方が有利な取引ができる、と思ってしまう方は多いでしょう。
しかし、レバレッジ以外にもサービスの仕組み・口座の使い勝手など、海外と国内では異なる点がたくさんあります。一概に海外FXの方がよいとはいえないのです。投資家自身のトレードの目的や、業者に求めるサービス、トレードスタイルなどによって、海外の方がよかったり国内の方がよかったりします。
海外FXと国内FXを比較するポイント
海外FXと国内FXのどちらで取引をすべきなのか、選ぶポイント、比較するポイントを見ていきましょう。
海外FXが初めてだというトレーダーでも状況は様々です。
- FXの経験がほとんどない全くの初心者
- 国内FXである程度経験がある中級者
- 国内FXで稼いでいる上級者
- ひとまず海外FXを試してみたいトレーダー
- 英語で取引がしたいトレーダー
- ドルや外貨で取引がしたいトレーダー
- 海外投資に展開したいトレーダー
- 本格的に稼いでいきたいFXのプロ
など・・・・
比較したい項目
- レバレッジ
- 日本語サポート
- 取引ツール
- 入出金方法
- 信託保全
- 取引システムの公正さ
- スプレッド
- 約定力
- ロスカットと追証
- ボーナス・キャンペーン
- 分析ツール
- 税金
海外FXと国内FXを徹底比較!
それぞれの状況に合わせて、海外FXと国内FXのどちらがよいのか選べるように12の視点から両者の違い、選ぶポイントや注意点などを解説していきます。
1.レバレッジ
まず海外FXと国内FXの最も大きな違いとはレバレッジです。具体的にレバレッジがどのように違うのか比較してみましょう。
規制 | 最大レバレッジ | |
---|---|---|
国内FX | 金融庁の規制がある | 個人のレバレッジ25倍/法人のレバレッジ50~60倍 |
海外FX | 日本の規制は関係ない | 業者・口座によって100~500倍/1000倍/3000倍など |
個人投資家の場合、どの国内FX業者を選んだとしてもレバレッジは25倍が限界です。海外FX業者なら、ほとんどの場合500倍程度のレバレッジがかけられます。
海外FX業者や口座の種類によっては3,000倍のレバレッジも可能なのです。
選ぶポイント
海外FXの方がおすすめなケース
- 少額の証拠金から始めたい
- スキャルピングやデイトレードなど短時間で効率よく稼ぎたい
- 大きめのロットで大きな利益を狙いたい
など・・・
国内FXの方がおすすめなケース
- FXの経験が少ない初心者
- 低レバレッジの取引を重視している
- 最低入金金額以上の余分な資金がない
注意点
2.日本語サポート
海外FXを視野に入れた時に、一番気になるのが日本語サポートです。日本語が使える点を重視した場合は、もちろん言うまでもなく国内FXがおすすめです。
海外FXの場合でも、通常の取引や口座管理は国内FXとさほど変わらず使えるのが現状で、日本語のサイト、日本語の取引ツール、日本語での問い合わせに対応しています。ただ、100%完全に日本語で対応できるわけではなく、日本語で使えるサービスには限界があります。
では、どのように日本語サポートの範囲が異なるのか比較しておきましょう。
サイト | 取引ツール | 問い合わせ・サポート | |
---|---|---|---|
国内FX | 100%日本語 | 100%日本語 | 100%日本語/日本人がメール電話で対応/業者によって対応の時間帯が異なる |
海外FX | ほぼ日本語で対応/サイトの一部は英語の場合もある | ほぼ日本語/ツールによっては英語の場合もある | 日本人がメール・電話で対応する業者が多い/日本語が話せる外国人が対応する業者もある/業者によって時間帯が異なる |
選ぶポイント
普通に取引をする分には、海外FX業者でもほとんど問題はないといえるのですが、緊急で電話をかけたい時には国際電話になるので電話代がかかる点が海外FX業者の大きなデメリットです。(海外FX業者の中には、コールバックシステムを採用している業者もあります。)
FX取引の経験が少ない初心者は、不明点や不安になることも多いと思いますので、電話サポートが充実している国内FX業者がおすすめです。
簡単な英語がわかる方、FX取引に慣れている方であれば、ほとんどの海外FX業者で問題なく使って頂けるでしょう。
注意点
3.取引ツール
海外FXと国内FXでは基本的に利用する取引ツールが異なります。取引ツールの違いを比較してみましょう。
取引ツール | 特徴 | |
---|---|---|
海外FX | MT4が主流 | 多彩な機能が搭載/無料 |
国内FX | 自社開発のソフトが主流 | 業者によって機能が異なる/無料 |
海外FXの取引ツールはMT4と呼ばれる取引ツールが主流です。
MT4とは
選ぶポイント
海外FXのMT4がおすすめなケース
- テクニカル分析を徹底して行いたい
- 描画機能を重視したい
- 自動売買など多彩なプログラムを利用したい
など・・・
国内FXの取引ツールがおすすめなケース
- 操作が簡単な取引ツールを選びたい
- 自分に合った取引ツールを選びたい
- 機能が異なる取引ツールを複数使いたい
など・・・
注意点
4.入出金方法
海外FXが不便だと感じるのは、入出金方法が限定されている点です。入出金方法を海外FXと国内FXで比較してみましょう。
入金方法 | 出金方法 | |
---|---|---|
海外FX | 海外送金、クレジットカード、国際決済サービス | 基本的に入金した方法にて出金が可能 |
国内FX | 提携先の銀行口座から無料で簡単に入金できる | 提携先の銀行口座に無料で簡単に出金できる |
海外FXにて一般的に利用されている入出金方法は、クレジットカードです。クレジットカードなら入手金は数分で完了します。国際決済サービスはBitwalletなど海外FX業者によって、使えるサービスが異なります。海外FX業者への手数料は無料の場合が多いです。海外送金には3,000円程度の手数料、さらに日数がかかります。
国内FXなら入手金はスピーディー・手数料無料・簡単と3拍子揃っています。国内FXにて入出金に戸惑うことはほとんどないでしょう。
選ぶポイント
海外FXがおすすめなケース
- クレジットカードの入出金に抵抗がない
- 国際決済サービスが使えるなら問題ない
- 入出金に手数料がかかったとしてもハイレバレッジを重視したい
など・・・
国内FXがおすすめなケース
- クレジットカードは極力使いたくない(持っていない)
- 入出金方法に制限を受けたくない
- 入出金方法で悩みたくない
など・・・
注意点
5.信託保全
海外FXが国内FXと大きな異なるのは、海外FXでは信託保全が利用できない場合が多いことです。信託保全という視点から海外FXと国内FXを比較していきます。
信託保全の有無 | 資産の保証 | |
---|---|---|
海外FX | 業者によっては信託保全の有無が異なる | 資産を保証する制度がない業者も多い |
国内FX | 信託保全の採用が義務づけられている | 100%預け入れた資産は保証されている |
国内のFX業者は金融庁によって信託保全の採用が義務付けられているため、万が一会社が倒産したとしても全額が返金される仕組みになっています。
海外FX業者の場合、信託保全を採用しているのは限られた業者のみです。利用する海外FX業者によっては、預け入れた資産が全く保証されない場合もあるのです。海外FX業者の中には、投資家補償にて上限を設けて資産を保証する業者もあります。
選ぶポイント
海外FXでも、100%信託保全を採用している海外FX業者を選ぶことができます。あるいは、投資家補償にて資産を保証してくれる業者を探すことは可能です。
仮に、信託保全や資産の保証が全くない場合でも、日本人から人気があり、実績・信用の高い海外FX業者もあります。ただ、このような業者を選ぶ際には自己責任となります。
注意点
6.取引システムの公正さ
FX業者が採用している取引システムの公正さで選ぶなら、実は海外FXの方が安心なのです。ここでは、海外FXと国内FXの取引システムの違いを比較します。
取引システム | 特徴 | |
---|---|---|
海外FX | NDD方式、インターバンク方式 | FX市場にて直接取引、透明性が高い |
国内FX | DD方式、ノンインターバンク方式 | FX業者と売買する仕組み、不正操作の可能性がある |
海外FXのNDD方式とは
NDD方式とは、投資家が取引ツールを使って直接FX市場から売買できる仕組みのことをいいます。インターバンク方式とも呼ばれるもので、海外の金融機関とリアルタイムで取引をしますので透明性が高いのです。
国内FXのDD方式とは
一方、国内FXではDD方式が主流で、FX市場にて直接取引をするわけではありません。リアルタイムのFX市場の相場を基準に業者と為替を売買していることになります。ノンインターバンク方式とも呼ばれており、顧客が損失を出すことで業者は返金する金額が少なくなり儲ける仕組みになっているのです。
選ぶポイント
どんなに、国内FX業者の方が資産の保証もあるし、信頼度は高いと思えても目にみえない部分で損をしている場合があるのです。
例えば・・・スリッページをあえて起こすことで、入金差額を利益に換算することが可能です。また、顧客と国内FX業者の利害関係が全く相反しているため、本当に顧客のことをどこまで考えてくれているのか疑問になる点も出てきます。
反面、海外FX業者と顧客の利害関係は比例しています。取引量が増えれば増えるほど、各国の金融機関から海外FX業者はマージンを得ることができ、儲かる仕組みになっているので、顧客のためを考えたサービスが期待できます。
注意点
7.スプレッド
スプレッドが広くなるとそれだけ売買のコストも高くなってしまいます。スプレッドを重視する投資家は多いようですが、海外FXと国内FXのスプレッドを比較してみましょう。
スプレッド | 特徴 | |
---|---|---|
海外FX | 市場の売買値が反映、やや広くなる傾向にある | 業者によって格差がある |
国内FX | 業者で設定できるため、狭くできる | 業者によって格差がある |
海外FXはNDD方式、国内FXはDD方式と採用している取引システムが異なるため、海外と国内ではスプレッドの仕組みが大きく異なりす。
海外FXは業者がスプレッドを設定することができません。国内FXは各社で売買値が提示できますのでスプレッドを狭くすることが可能なのです。
選ぶポイント
スプレッドの狭さを重視するなら
スプレッドの狭さを重視するなら、国内FXの方がおすすめです。例えば、米ドル円の通貨ペアだと国内FXならわずか0.2pipsの業者もあります。海外FXでも一部の業者はスプレッドが狭めです。
スプレッドよりもハイレバレッジを重視するなら
海外FXでは市場の相場が反映されるため、スプレッドは変動しやすく幅も大きくなりがちです。しかし、スプレッドの狭さよりもレバレッジの高さを重視するなら、やはり海外FXがおすすめです。
注意点
8.約定力
約定力に関しても、FX業者がNDD方式なのかDD方式なのか、どこの国のサーバーを使っているのかが深く関わってきます。NDD方式の海外FXとDD方式の国内FXを約定力で比較すると以下のようになります。
約定力 | ツールやサーバーの影響 | |
---|---|---|
海外FX | 市場との直接取引なので約定拒否はできない | サーバーがNYやロンドンにある場合が多く地理的遅延が起こる場合もある |
国内FX | DD取引(呑み取引)なので、約定拒否がある | 業者が利用するツールやサーバーによって差がある |
海外FXはNDD方式なので、業者が約定を操作することはできません。ただ、日本人が使う場合はどうしても海外FX業者と投資家のPCとに距離ができるため約定力が低下しやすくなります。
国内FXは呑み取引なので約定拒否、つまりスリッページを起こさせることが可能です。(一部の業者は約定力で評価されています)
選ぶポイント
約定力の高さを重視するなら
スキャルピングなどで約定力を重視するなら、海外FXの方が一定の約定力の高さが期待できます。海外FXにてVPSサーバーを利用すれば地理的遅延を解消することが可能です。
約定力を売りにしている国内FX業者を選ぶ方法もありますが、スリッページ操作がないとはいいきれません。
中長期トレードがメインなら約定力はあまり関係ない
中長期トレードがメインの方は、わずかなpipsよりも大きな値幅を狙っていくため、それほど約定力にこだわる必要はないといえます。国内FX・海外FXどちらでも満足できるでしょう。
注意点
9.ロスカットと追証
海外FXと国内FXの違いで、もう1つ抑えておきたいポイントはロスカットと追証の仕組みです。通常、FXではご存じの方も多いように証拠金維持率が規定のレベル以下になった場合、FX業者によって強制的にロスカットされます。
ただ、急激な相場変動においてロスカットが間に合わないことも時にはあります。ロスカットが間に合わなかった際の対応が海外FXと国内FXでは全く異なるので、違いを確認しておきましょう。
ロスカットと追証 | ロスカットが間に合わなかった時 | |
---|---|---|
海外FX | 証拠金維持率が20~50%、追証はない(ゼロカット) | 業者がマイナス分を補填してくれる |
国内FX | 証拠金維持率が50~100%、追証で対応 | 顧客がマイナス分を業者に払わなければならない |
海外FXはハイレバレッジにて取引ができるため、万が一、相場が急変してロスカットが間に合わなかった場合に多額の負債をつくってしまう可能性があります。そこで海外FXでは、追証なしのゼロカットシステムが採用されています。
追証なしゼロカットシステムとは
ロスカットが間に合わずにマイナスが出た場合は、海外FX業者がマイナス分を補填してくれるので借金を作らずに済みます。
一方、国内FXでは万が一ロスカットが間に合わなかった時は、残高がマイナスとなり、その分は追証として国内FX業者に支払わなければならないのです。
選ぶポイント
海外FXの方がロスカットに合う確率は少ない
海外FXの方がロスカットの基準が20~50%以下と緩いので追証をしなくともポジションがキープできる確率が高くなります。とくに高いレバレッジで少額取引をするのであれば海外FXの方がおすすめです。
海外FXなら100%残高がマイナスになる心配はない
大きいロットで取引をする場合、国内FXでは万が一の時にはマイナス額が大きくなる可能性があります。海外FXであれば確実に借金をつくってしまうことは避けられるので安心です。
注意点
10.ボーナス・キャンペーン
海外FXでは、国内FXにはないボーナスやキャンペーンが豊富なのが魅力です。海外FXと国内FXのボーナスやキャンペーンの内容を比較してみます。
口座開設・入金ボーナス | キャンペーン | |
---|---|---|
海外FX | 口座開設時にボーナスが付与される/入金額に応じてボーナスが付与される | キャッシュバック、トレードコンテストなど頻繁に開催 |
国内FX | 口座開設と取引条件クリアでキャッシュバックがある/入金ボーナスはない | キャンペーン適用の条件が厳しいことが多い |
海外FX業者でも、国内FX業者でも、「口座開設」や「口座開設+取引」時にボーナスやキャッシュバックされるキャンペーンを展開することが多いのですが、海外FX業者には「入金ボーナス」という国内FX業者にはない特典を採用している海外FX業者が少なくありません。
入金ボーナス100%という海外FX業者の場合、10万円入金すると、10万円分のボーナスが付与されて、合計20万円の証拠金でトレードすることが可能です。証拠金が増えれば、持てるポジションも大幅に増え、ロスカットまでの猶予も増えることになります。
入金ボーナスが海外FX業者の大きなメリットと言えます。
選ぶポイント
注意点
海外FX業者の場合大きく分けると、入金ボーナスがある海外FX業者と、入金ボーナスがない海外FX業者がありますが、入金ボーナスがない海外FX業者の方がスプレッドが狭い傾向にあります。ボーナスも、顧客から得た取引手数料・スプレッドから捻出されるため、入金ボーナスがない海外FX業者の方がスプレッドが狭くなりやすいのです。
トレードコストをできるだけ抑えたい場合は、あえてボーナスが一切ない海外FX業者を選ぶのも賢い方法です。
11.分析ツール
海外FX、国内FXを問わずFX業者を選ぶ際に考慮したいのが、どんな分析ツールが使えるかということです。海外FXと国内FXで提供している分析ツールの違いを比較してみます。
分析ツール | 使いやすさ | |
---|---|---|
海外FX | 高機能の分析ツールを提供する業者が多い | 機能が高い分操作が難しい、日本語で使えないものもある |
国内FX | 業者によって分析ツールのレベルや種類も様々 | 自分に合った使いやすいものが選べる |
分析ツールは、機能性の高さで比べると海外FXの方がおすすめですが、必ずしも機能性の高さだけが選択のポイントだとはいえない部分もあります。
どんなに高機能でも操作が難しく、使いづらければ意味がないからです。投資家それぞれのトレードスタイルや分析手法によっては、国内FXの方が自分に合った分析ツールが探しやすいかもしれません。
選ぶポイント
海外FXならオートチャーティストが無料で使える
海外FXでは、チャートパターンが自動検出できるオートチャーティストや海外でしか探せない高機能のツールを使うことができます。オートチャーティストはMT4でインストールして使えます。MT4でも100種類以上の分析手法やプログラムが用意されています。
国内FXなら自分に合った使いやすいものが探せる
テクニカル分析をあまりを重視しない投資家や、FX初心者の方は、それぞれで自分に合った分析ツールが探せる国内FXの方がおすすめです。
注意点
12.税金
FXで稼げるようになった時に気になるのが税金です。海外FXと国内FXでは、税金の区分や税率が異なります。最後に税金の違いを比較していきましょう。
税金の区分 | 税率 | |
---|---|---|
海外FX | 所得税、雑所得、事業所得などに区分 | 総所得額に応じて税率5~45%+住民税10% |
国内FX | 先物取引にかかる雑所得に区分 | 所得にかかわらず税率は一律で21.315%(住民税込み) |
海外FXで課税義務が生じるのは、給与所得など総所得額が48万円以上(令和2年以降)となる場合です。
国内FXで課税義務が生じるのは、給与所得以外の雑所得(FX所得)が20万円を超える場合です。
選ぶポイント
海外FXは稼ぐほどに税率が高くなる
FXの所得、あるいはFXの所得を含めた総所得額が多い方は、海外FXだとどんどん税率が高くなるのでおすすめできません。少額取引にて少額の利益を狙う方であれば、海外FXの方が節税効果が高いです。資金が少ない方ほど海外FXの方が有利です。
数百万円以上の資金を使うなら国内FXの方が良い
一方では、数百万~数千万円以上の資金を使われる方、FXの収益が安定して高額になる方は、安全性が高く税率が低い国内FXがおすすめです。
注意点
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は海外FXと国内FXの違いを12の視点から徹底的に比較していきました。投資家それぞれのタイプによってどちらを選ぶべきなのか何となく答えが見えてきたのではないでしょうか。