海外FXとは?海外FXのメリットデメリット・リスク・口座開設方法・はじめ方

FXには海外FXと国内FXがあります。FXトレードは、世界中の市場にて取引ができる特殊な金融商品なので、日本人でも海外FX業者の口座を開設することができます。

近年では日本語サイトがあったり、日本語サポートがあったりと、英語がわからなくても使える環境が整っています。国内でも利用するトレーダーは増えてきているようです。とくにレバレッジに関しては100倍、500倍とかけれるのが魅力の1つになっています。

海外FXと国内FXでは取引の仕組みや提供するサービスやルールなどが大きく異なり、メリットもあればデメリットも生じてしまいます。

海外FXに興味があっても、国内FXの違いは何なのか、どのように使えばいいのか疑問に思うトレーダーは多いでしょう。

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今回は、海外FXとはどのような仕組みになっているのか、国内FXとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。口座開設方法や始め方も最後にご紹介いたしますので、ぜひ参考にして下さい。

海外FXとは

海外FXとは

海外FXとは

本社が外国にあるFX業者の口座を利用してFX取引を行うことをいいます。

ひとことで海外といっても、世界中の色んな国のFX業者・サービスがあります。基本的に本社所在地が海外にあり日本の金融庁の管轄外で営業しているので、国内FXとは区別され海外FXに分類されます。

日本で一般的に使われているのは日本語版サイトや日本語サポートを提供している海外FX業者がほとんどです。

海外の業者でも、日本に支社があってある日本の金融ライセンスを取得している業者だと、国内FX業者として分類されます。例えば、サクソバンク証券、IG証券などは海外の業者ですが国内FX業者となります。

海外FX業者の所在地

では、最初にまずは代表的な海外FX業者10社の所在地を簡単に確認しておきましょう。

海外FX業者 本社所在地 金融ライセンス(日本人向けサービス)
XM キプロス セーシェル共和国/証券デーラーラインセンス
AXIORY ベリーズ ベリーズ国際金融サービス委員会/IFSC
TitanFX ニュージーランド バヌアツ共和国/CAP.70
GEMFOREX ニュージーランド ニュージーランド/FSP
LAND-FX ロンドン イギリス/FCA
FBS ベリーズ ベリーズ国際金融サービス委員会/IFSC
iFOREX ギリシャ BVI金融サービス委員会/BVIFSC
HotForex セントビンセント・グレナデン諸島 法人登記のみ
TradersTrust バミューダ共和国 法人登記のみ
BigBoss セントビンセント・グレナデン諸島 法人登記のみ

海外FX業者と聞くと、当然ながら米国、欧州、英国などが本社になるのでは?と思いがちですが、実情は上記のようにニュージーランドやあまり聞いたことがない国名が出てきます。

あまり聞いたことがない社名や国名を見て、信用できるの・・・?と不安に思われる方もいるでしょう。

本社所在地と運営元は異なる場合が多い

上記で紹介したような海外FX業者であれば、実際には、米国・欧州とグローバルに展開している大手金融機関が運営しているケースがほとんどです。

歴史・実績ともにある程度の信頼性が確保できる業者です。

各国の金融庁の規制上、FXサービスをグローバルに展開するにあたって、あえて海外FX会社の支店(子会社)を規制が緩いマイナーな国(とくに英バージン諸島など)に設立しているケースが多くなるのです。

もともとは、メジャーな国の金融ライセンスで営業していた海外FX業者も多いのですが、金融庁の圧力から日本人向けの営業が難しくなり、中には法人登録のみで営業している海外FX業者もあります。

日本の金融ライセンスがなくても取引できるの?

ここで、日本の金融ライセンスがないのに日本人がFX取引をしてもいいの?と疑問に思う方もいると思います。日本在住のトレーダーがオンラインで海外FXで取引したとしても、法律的に何の問題もありません

サービスを提供する側には登録が義務づけられており、ライセンスなしで営業をすると金融商品取引法に違反して罰則を受けます。しかし、投資家やユーザーが仮に無登録業者でトレードを行ったとしても違反にはならず、自己責任で判断できることが言及されています。

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ちなみに以下の記事ではおすすめの海外FX業者ランキングがご覧になれます。参考にして下さい。

国内FX業者との違い

海外FX業者は、本社所在地が海外にあり日本の金融商品取引法の規制を受けずにをサービスを提供しています。

FX取引そのものは、通貨ペアを売買して利益を得るという点では全く同じです。ただ、取引ツール、システム、レバレッジなど仕組みやルールが全く異なります。
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どのような点が国内FXと異なるのか以下にまとめてみました。
  1. 入出金方法が異なる
  2. 信託保全など資産の保証が異なる
  3. 利用できる日本語サポートが異なる
  4. レバレッジが異なる
  5. ロスカットの仕組みが異なる
  6. 業者が採用している取引システムが異なる
  7. 税金の区分が異なる
  8. 取引ツールが異なる
  9. ボーナスやキャンペーンが異なる
  10. 取引できる商品が異なる

以上10点が、海外FXと国内FXの大まかな違いになります。

海外FXの特徴

海外FXの特徴
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では、海外FXが国内FXとは異なる点に焦点をあてて、海外FXの特徴を詳しく解説していきます。違いがわかりやすいように、国内FXと比較しながら見ていきましょう。

1.入出金方法

海外FXを始めるにあたって、一番注意したいのが入出金方法が国内とは事情が異なる点です。海外FX業者は基本的に海外の金融機関を利用しているため、国内FX業者のように入出金が容易ではありません。

国内FXの入出金方法

国内FX業者の場合、その業者が提携している銀行口座を利用すれば手数料もかからず、スピーディな入出金が可能です。利用する口座をアカウントに登録さえしておけば、会員用サイトから簡単に操作できます。入金はたいていリアルタイムで行えますし、出金は遅くとも1日、2日で銀行口座に振り込まれます。

仮に、業者が提携していない銀行口座でも、200~400円の手数料にて手続きが簡単に行えます。

海外FXの入出金方法

海外FXの場合は、基本的に日本の銀行口座との連結が難しく、各業者が定める方法によって入出金を行わなければなりません。利用できる入手金方法は業者によって様々です。最初にどのような方法が利用できるのか確認しておくことが大切です。

具体的にどのような方法があるのか解説します。

海外送金

海外送金は日本の銀行口座や窓口から海外FX業者の口座あてに送金を行う方法です。出金する場合は、日本の銀行口座あてに業者に送金の依頼をします。この場合、海外送金の手数料が3,000円程度かかり、3営業日~5営業日ぐらいの日数がかかります。

クレジットカード

海外FXで最も一般的な入出金方法がクレジットカードです。入金時はショッピング代金として、出金時はショッピング代金の返金として手続きが行われます。この方法だと、手続きをしてから数分後にはアカウントに反映されるのですぐにトレードが開始できます。

ただ、出金に関しては返金処理にて支払われるため、入金した金額以上の出金を行うことができません。手数料は各クレジットカード会社の規定によります。

国際決済サービス

もう1つの入出金方法でよく使われているのが、国際決済サービスを利用する方法です。どのサービスが使えるのかは業者によって異なります。

  • bitwallet
  • SticPay

など・・・

国際決済サービスを使う場合でも、入金した分しか出金できない業者もあるので確認が必要です。手数料は利用するサービスによって異なります。(paypalやSkrillがHPには記載してあっても、日本人は利用できません)

仮想通貨

海外FX業者で意外と多いのが仮想通貨、bitcoinが入出金に使えることです。

これは、仮想通貨の口座を持っている人には便利ですね。ただし、bitcoinは通貨の価格がつねに変動しているので注意しなければなりません。手数料は無料の業者もあり、かかったとしても100~300円程度。

国内送金

ごく稀に、日本のメガバンクの口座との連結が可能な海外FX業者があります。その場合は、提携銀行として入手金が国内送金扱いで手続きできます。手数料は無料あるいは数百円です。

ただ、金融庁の規制が厳しくなっているため、以前は可能だった業者でも今はできなくなっている業者がほとんどです。(現在使えるのはAXIORYのみです)

海外FX業者への入出金の場合、業者のシステム上の理由から、入金と出金は基本的に同じ方法を使うことが規定されています。つまり、入金した金額が同じ方法で出金できるという仕組みです。

出金額が入金額を超えた場合は、決済サービスか海外送金を利用することになります。

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海外FXを始める時には、この入出金の仕組みをしっかりと理解しておかないと、いざ出金する時に予定外の手間や費用がかかる場合があります。以下の記事ではデビットカードで出金ができないケースについて解説しています。

2.資産の保証制度

海外FXを行う時に注意したいのが、国内FXとは違って、信託保全を採用していない業者もあります。

信託保全制度とは

金融機関が顧客の資産を100%保証する制度のことで、万が一、業者が倒産した場合でも全額払い戻される仕組みになっています。顧客の資金を信託銀行に預託し、FX業者が倒産した場合には、信託銀行が直接顧客へ返還する契約となっています。

国内FXの信託保全

国内のFX業者は信託保全制度を利用して、顧客の資産を守ることが法律によって義務づけられています。

従って、どの業者を使うとしても、預け入れた資金は法律によってほぼ100%保証されています。万が一、経済恐慌や経営不振から破綻した場合でも全額がトレーダーに戻ってくるので安心です。

海外FXの信託保全

海外FXの場合は、業者によって信託保全の有無や資産に対する保証内容が異なります。

海外FXでは、

  • 分別管理
  • 信託保全
  • 投資家保証基金
  • 顧客資産保護ルール
  • 投資資金補償保険

など資産を保証する制度がそれぞれ異なります。

海外FX業者が、どこの国のラインセンスを保有しているのかによっても保証内容が変わってきます。信託保全を採用している業者でも条件・上限が定められている場合があるので確認しておきましょう。

ただ、海外FXの場合、信託保全が完全でなくとも信頼性・サービスの質などで高く評価されているFX業者も結構多いです。自己責任にはなりますが、必ずしも信託保全がある業者がよいというわけではありません。

3.利用できる日本語サポート

海外FX業者を選ぶ際には、利用できる日本語サポートの充実度を確認しておくことが大切です。それぞれの業者によって、日本語で表記される内容や問い合わせ方法、日本語対応の時間帯などが異なります。

簡単な英語なら問題ないというトレーダーは、選択肢が広くなります。英語に自信がない方はいつでも日本語で問い合わせができる業者を選んでおくと安心です。

日本語サポートの内容を確認するには、気になる海外FX業者の公式サイトを見てみるのが一番です。例えば・・・部分的には日本語で使えても、サイトの一部は英語でしか表記されない場合もあります。

国内FX業者のサポート

国内FX業者を利用する際は、当然ながら日本語が使えないということはあり得ません。サポートの時間帯やフリーダイヤルの有無などの違いはあっても、サイトやツール、問い合わせ・サポートなどは100%日本語です。

海外FX業者のサポート

海外FX業者の場合、ツールや注文方法、入出金などについて問い合わせたい時でも、業者によっては日本語で対応できる時間帯が限定されているケースも多々あります。

24時間体制で対応してくれるのか、メールで対応してくれるのか、電話で対応してくれるのか、業者ごとに異なる日本語サポートの内容を比較検討しておきましょう。

日本語サポートが使えたとしても、日本語ができる外国人が対応する場合もあります。できれば、複数人の現地日本人が在籍している業者を選んでおけば、誰かが常に対応できる体制が整っていたりと一定のレベルが期待できます。

4.桁違いのレバレッジ

海外FXの最大の魅力とはレバレッジの高さにあります。

FXトレードは資金が少なくても、数倍のレバレッジがかけれることはトレーダーの皆様もご存じですよね。FXの初心者には高いレバレッジでの取引は危険でもあるのですが、ある程度慣れてきたら高レバレッジ・大きめのロットで利益を狙うトレーダーは増えてきます。

国内FXのレバレッジ

国内FXでは金融庁の規制が厳しく、個人口座の場合は一律で25倍までと法律で決められています。

法人口座であれば、国内でも50~60倍ぐらいのレバレッジがかけれるFX業者は多いですが、最高レベルでも100倍あたり。ただ、一般の個人トレーダーにとって法人口座を作るのは容易ではありません。

海外FXのレバレッジ

海外FXでは日本の金融庁の規制を受けませんので、500倍のレバレッジは当たり前です。中には800~1000倍、2000倍以上かけれる業者もあります。

少額取引向けの口座で最小クラスのレバレッジでも400~500倍はかけれるようになっています。デイトレやスキャルピングなどの短期トレードには非常に有利なのです。

海外FX業者の場合は、資金が少額の口座の方が最大レバレッジの設定が高く、高額な資金やVIP口座にあると最大レバレッジが抑えられる傾向にあります。

桁違いのレバレッジがかけれることで有利なトレードが実現しやすくなりますが、その分、大きな損失を出すリスクがあるので注意が必要です。

5.ロスカット・追証の仕組み

海外FXでもう1つ大きな魅力になっているのが、ロスカット・追証の仕組みが国内FX業者とは全く異なることです。

高レバレッジがつけれることよりも、ロスカット・追証の仕組みが安心だからと海外FXをあえて選ぶトレーダーも多いのです。

国内FXのロスカット

国内FXでは、通常は証拠金維持率が50%~100%を超えてしまうと強制ロスカット、または追証が発生します。

強制ロスカットされると基本的に預け入れた証拠金はすべてなくなってしまいます。従って、証拠金維持率が下がりすぎないように追証をする仕組みになっています。

緊急の事態に対応できないことも

原則として、強制ロスカットのシステムがあるから残高がマイナス(借金)になることはほとんどありません。ただ、このシステムの盲点は、急激な暴落に対して強制ロスカットが間に合わないケースがあることです。

例えば、リーマンショックや最近のコロナウイルスショックのように、秒単位で相場が急落したとすればシステムが間に合わずに残高がマイナスとなる場合があるのです。この場合、FXトレーダーはマイナス分を借金として業者に払わなければならないのです。

海外FXのロスカット

海外FXでも国内FXのように、証拠維持率が一定のレベルを下回ると強制ロスカットが生じる仕組みになっていますが、証拠金維持率の規定が大きく下回ります。

多くの海外FX業者において、強制ロスカットの規定は証拠金維持率が0~50%を下回った場合です。なので、強制ロスカットを受ける確率が国内業者よりは確実に低くなります。

さらに、追証ゼロカットシステムを採用している業者が多いので安心です。

追証ゼロカットシステムとは

追証ゼロカットシステムとは
万が一、強制ロスカットが間に合わずに口座残高がマイナスになった場合に業者がマイナス分の金額を補填してくれる仕組みのことです。

強制ロスカットが間に合わないような状況はそう度々起きることではないのですが、急激に相場が暴落する局面はいつ訪れるか予測がつかないものです。高レバレッジによる取引でも、このシステムによって残高がマイナスになるのを避けることができるのです。
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海外FXの追証ゼロカットシステムについて、以下の記事で詳しく解説しています。海外FXを始める前に確認しておきましょう。

6.FX取引のシステム

国内FX業者と海外FX業者の根本的な違いは、採用するFX取引システムにあります。取引システムと聞いても、えっ?FXは世界中の市場で取引するのだからどこで取引しても同じなのでは?とピンとこない方が多いと思います。

私たちトレーダーは業者の取引ツールを使いながら、業者を介して直接市場にて取引していると思い込んでいます。しかし、実は国内業者の場合は、業者に対して注文を入れているだけに過ぎないケースがほとんどです。

注文を受けた業者が、顧客の代わりに自社に都合のいい方法で別口で市場で取引を行っているのです。従って、顧客の注文通りに市場で取引をしているわけではないのです。これはどういうことなのかというと・・・

国内FXの取引システム

国内FX業者は、「店頭取引、相対取引」とも呼ばれるDD取引というシステムを採用しています。

DD取引とは

顧客が出す売買注文を自社内で完結させている方式になります。つまりトレーダーは市場で売買しているわけではなく、その業者と売買していることになります。

業者は業者で別で直接市場にてFX取引をしていますので、顧客が損をすればするほど返すお金が少なくなり儲ける仕組みになっているのです。極端な言い方をすれば、できるだけ損をしてほしい、と思う業者が多いとしても不思議ではありません。

このDD取引を悪用して不正操作を行っている業者も多いとの噂もあります。

海外FXの取引システム

一方、海外FX業者は、「インターバンクトレード」と呼ばれるNDD取引というシステムを採用しています。

NDD取引とは

FX業者がFX市場への仲介窓口となり、顧客は直接市場にて売買ができる方式のことです。この方式では、業者は不正操作を行うことが不可能で、トレーダーは透明性が高いシステムに正当な取引が行えるわけです。

NDD取引を採用する海外FX業者は、それぞれ提携先の金融機関(各国のFX市場)から取引量に応じたコミッションを受け取りそれが利益となっています。ですから、ボーナスをつけて取引量を増やしたり、勝てるように支援するツールを用意したりとサービスが充実しているのです。

DD取引を採用する国内業者は、市場の為替レートを正確に途用する必要がないためスプレッドが狭く設定できる点がメリットになっています。NDD取引を採用する海外業者の場合、市場の為替レートが取引価格になるのでスプレッドは広くなる傾向にあるのです。
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以下の記事では、海外FXのNDD口座について詳しく解説しています。こちらも参考にしてみて下さい。

7.税金の区分

FXトレードでいざ稼げるようになった時に気になるのが、税金がどうなるのかということです。せっかく稼いでも多額の税金がかかればがっかりしてしまいます。

海外FXと国内FXでは税金の区分が異なる点も重要視されているのです。稼ぐ金額によっては、海外FXの方が大幅に節税が可能となります。

国内FXの税金

国内FXで稼いだ金額は、基本的に20万円以上を超えると一律で20.315%の分離課税がかかります。

専業トレーダーの場合は、税務署の判断によっては事業所得とできる場合もありますが、大抵の場合は分離課税の扱いになります。もし、フリーランスなどで給与所得がないのであれば、金額を問わず20.315%の課税義務が生じてしまいます。

20.315%の税率は、稼ぐ金額によってはかなり痛手となります。

海外FXの税金

海外FXの税金は、国内FXのように分離課税ではありません。従って、給与所得や事業所得、個人の所得に上乗せして規定の税率で計算することが可能です。

個人所得の税率は、累進課税方式が適用となり所得額に応じて税率が変わる仕組みになっています。年間の総所得額が195万円以下ならわずか5%、330万円以下なら10%です。

控除額を差し引いて考えると、FXを含めた総所得額が440万円以下なら海外FXの方が課税額は少なくなります。

総所得額が695万円をこえる場合の税率は23%、所得が増えるごとに最大で45%まで税率が上がっていきますので、所得が多い方は海外FXだと税負担が大きくなるので注意して下さい。

8.取引ツール

海外FXは、先でも解説したようにインターバンク方式を使って直接市場にて取引を行うことができます。従って、業者が提供する取引ツールも国内業者とは全く異なるMT4が主流です。

MT4とは

MetaTraderと呼ばれるFX取引ソフトのことで世界中で使われている取引ツールになります。世界の市場に直結しているので、トレーダーはMT4を使って市場にて直接取引ができます。情報が一貫しているのが大きな特徴です。
チャート機能、描画機能、分析機能が非常に充実したソフトでFX業者が無料で提供しています。MT4ではさらにEA(エキスパートアナライザー)という自動売買システムの利用も可能です。MT4をアップグレードしたツールがMT5です。

国内FXの取引ツール

国内FXでは、それぞれの業者が独自で開発している取引ツールを使うのが一般的です。MT4を提供している国内FX業者はごくわずかです。

業者ごとに取引ツールが異なるので、口座別に取引ツールの操作方法を覚えなければなりません。

海外FXの取引ツール

ほとんどの海外FX業者がMT4を採用しています。MT4以外のツールを探すのが難しいほどです。

一旦、MT4の使い方さえ覚えれば、どの業者・どの口座を使ったとしても取引ツールが共通しているので、複数の口座を使いたい方には非常に便利です。

MT4には多くの機能が搭載されているため、使い方を覚えるのに最初は時間がかかるかもしれません。注文を間違えると大変ですから、デモトレードで使い方を覚えてから取引するようにしましょう。

9.ボーナスやキャンペーン

海外FXと国内FXでは、提供しているボーナスやキャンペーンの内容が異なります。新規口座開設の特典や入金ボーナスなど、国内では探すことができない内容を提供していることも、海外FX口座の大きな特徴です。

国内FXの特典・サービス

国内FXでは、口座開設や入金によってキャッシュバックがつくキャンペーンは多いのですが、入金額・取引額の条件のハードルが高く、実情はそんなにお得ではないのです。

少額で取引をする場合はキャンペーンの対象とならない場合も多いです。

海外FXの特典・サービス

海外FXでは、口座開設や入金の時にはほぼ全員にボーナスが付与されます。入金額に対して10%~100%のボーナス(証拠金)がもらえるのでお得です。

ロスカット時にもらえるボーナス、取引額に応じてもらえるキャッシュバック、入金ボーナス、利用していない証拠金に金利がつく金利ボーナスなどもあります。

他にも、トレードコンテストで上位になると現金がもらえたりとサービスが充実しています。

海外FXでもらえるボーナスは、損失を出すとポジションが解消になったり、利益分しか出金はできないなどの条件が設定されています。
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海外FXのボーナスに関する詳しい情報はこちらでご確認頂けます。

10.取引できる商品が異なる

海外FXを利用する時に嬉しいのは、海外の様々な金融商品が取引できることです。

国内でも海外の商品を取り扱う業者もありますが、手数料が高くなりますし、取り扱いのある業者は限定されています。興味があっても、なかなか取引のチャンスがありません。

国内FXで取引できる商品

証券会社が提供しているFX口座であれば、口座を持っていれば国内の株式や債券、CFDなどの商品を取引することが可能ですが、ほとんどの場合は国内で買える商品が対象になります。

外国株式、債券、CFDを扱う業者もいくつかあっても、取り扱い商品が少なく手数料が高めになるのが難点です。

海外FXで取引できる商品

海外FXで口座を持っていれば、

  • 仮想通貨
  • 世界の株式指数
  • コモデティ
  • 主要国の債券

など、格安または無料の手数料にて取引が可能になるのです。投資・トレードの幅をぐっと広げることが可能です。

これらの商品でも、桁違いのレバレッジにて取引が可能です。大きく稼げる分、損失も大きくなる傾向にあるので注意する必要があります。
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以下の記事では、海外FXで取り扱うCFD商品を一覧で比較しています。ぜひ参考にして下さい。

海外FXのメリット・デメリット

海外FXのメリット・デメリット

海外FXの特徴や国内FXとの違いがわかったところで、海外FXのメリット・デメリットを確認していきます。

海外FXのメリット

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まずはメリットから見ていきましょう。
  • ハイレバレッジで取引ができる(大きな利益が狙いやすい)
  • 追証なしゼロカットシステムが採用
  • 利益が少額であれば節税が可能
  • 透明性が高い取引システム(不正操作はできない)
  • 高機能のMT4が使える
  • 証拠金として使える口座開設ボーナス、入金ボーナスがある
  • 高機能な分析ツールが使える
  • 取り扱う金融商品が豊富

といった点が海外FXの大きなメリットとなるでしょう。

海外FXのデメリット

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次いで、デメリットも確認しておきましょう。
  • 入出金方法が限られている
  • 出金時に手数料がかかる場合もある
  • 日本円で取引できない口座もある(為替手数料がかかる)
  • 日本語サポートが十分でない業者もある
  • 信託保全を適用してない業者もある
  • 所得額によっては税率が大幅に高くなる

といったように、海外FXにはデメリットの側面もあるのですね。

海外FXのリスク・注意点

海外FXのリスク・注意点

デメリットを考慮したとしても、ハイレバレッジなど海外FXに魅力を感じるトレーダーは多いようです。海外FXを始める際には、国内FXとは異なるリスク・注意点があることをしっかり確認しておくことが大切です。

海外FXのリスク・注意点をまとめると以下のようになります。

  • 入出金方法を確認してから口座開設をする
  • 日本語サービス、日本円口座の有無を調べておく
  • 海外FX業者には信頼度が低い怪しい業者もある(国内の口コミ情報などチェックしておく)
  • 万が一の時に、資産が完全に保証されない場合もある(自己責任です)
  • ハイレバレッジによって損失額も拡大しやすい
  • 日本語で対応できないサービス・ツールもある(事前に確認)
  • MT4が使いこなせない(操作できるようになってから取引)

など・・・

海外FX業者の情報は、国内のあらゆるサイトにて公開されています。実際に使用しているトレーダーの評判や口コミなどを参考にすることができます。

信頼性が高く評判の良い業者、それぞれのトレードの目的に合った業者、求めるサービスを提供する業者など、各自の判断で利用するFX業者を選ぶようにしましょう。

国内業者とは違って、いざ何かトラブルがあった時には海外の会社になるため対処のしようがないことを、常に念頭においておく必要があります。(よほど無名の業者を選ばない限り、実際にトラブルとなるケースは稀です)

海外FXの口座開設

海外FXの口座開設

それでは、海外FXで口座開設するにはどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。

業者によって、若干の差はありますが概ねの口座開設の流れをご紹介しておきます。

口座開設の流れ

海外FXの口座開設は最短で即日、遅くとも2、3日で完了する場合が多いです。オンラインですべて手続き可能なので思ったよりスピーディです。

日本語サイトが完備されている海外FXなら、申し込み手続きもすべて日本語にて進めていけます。

口座開設の手順は以下のようになります。

  1. 利用したい海外FX業者の公式サイトにいく
  2. 口座開設ボタンをクリックする
  3. 開設したい口座の種類を選択する
  4. 口座開設申し込みフォームに必要事項を入力する
  5. 本人確認書類、住所証明をアップロードする
  6. 申し込み完了
  7. 業者から申し込み完了、IDパスワードが届く
  8. IDパスワードでログインする
  9. マイページから入金方法を選択し入金する
  10. MT4をインストールし、ログインする
  11. 取引開始!

用意する本人確認書類

用意する本人確認書類は通常は2種類です。

身分証明書

運転免許証、パスポート、保険証など国内で公的に発行されている身分証明書が必要です。

住所を証明する書類

身分証明書とは別で、住所を証明する請求書・住民票などの書類を用意します。ガス・電気・通信費などの請求書やクレジットカードの明細書など本人の住所が確認できる書類を身分証明書と一緒にアップロードします。

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基本的にFX業者がアップロードされた書類を確認・認証したら、IDとパスワードがメールにて届きます。ID・パスワードが届いて口座登録・入金が完了すれば、いつでも取引することが可能です。

海外FXの始め方

それでは最後に海外FXで取引を始める方法を解説しておきます。最初に入金してから決済、そして出金するまでの流れを見ていきましょう。

  1. 入金する
  2. 注文する
  3. 決済する
  4. 出金する

1.入金する

業者が規定する入金方法から、利用したい入金方法を選択して、まずはアカウント(代表口座)に資金を入金します。

入金した資金から、取引を行う口座へとさらに資金を移さなければなりません。最初は、様子見程度で少な目に入金しておくと安心です。

取引口座に入金した金額が証拠金としてカウントされます。この金額にレバレッジをかけて取引ができます。

2.注文する

口座開設の際に、すでにレバレッジを設定していると思いますが、レバレッジはいつでも変更できるようになっています。レバレッジが何倍になっているのか、注文前に改めて確認しておきましょう。

レバレッジを確認したら、通貨ペアを選択し目標の為替レートにて売買注文を行います。注文する際にはロット数を設定します。

ロット数はMT4の表記だと、

  • 0.01 → 1,000通貨
  • 0.1 → 10,000通貨
  • 1 → 100,000通貨

となり、ロット数は13種類から選択できるようになっています。

3. 決済する

注文する際に、損切り・利確の設定をしておくことも可能です。

目標の価格に為替レートが動いたら決済して、損益・利益を確定します。MT4のナビゲーター・トレード情報から現状の損益状況や証拠金維持率が確認できるようになっています。

利益が出た場合は、金額を指定して取引口座からアカウント(総合口座)へと資金を移して出金することができます。

4.出金する

原則として、入金した方法にて出金方法が選択できるようになっています。出金方法を選択して、金額を指定し出金依頼を行います。出金額が入金額が上回った場合にその他の出金方法が使える仕組みになっています。

クレジットカード、決済サービス利用の場合は、出金はキャンセル処理扱いですので、手数料は発生しません。国際決済サービスを利用する場合、海外FX業者所定の手数料が発生しますが、出金手数料無料としている海外FX業者も少なくありません。

海外送金にて、業者から銀行口座に振り込んでもらう場合は日数や手数料がかかるので注意しましょう。

海外FXを利用する際に一番のネックとなるのが、やはり入出金方法が限定されてしまう点です。国内業者のように自由自在に資金の移動ができないため、それがモチベーションを低下させる原因になりかねません。
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そこで、海外FXで本格的に稼いでいきたい方は、いかにコストや日数がかからない入出金手段を用意しておくかが成功のポイントになるでしょう。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はハイレバレッジで気になる海外FXについて詳しく解説していきました。海外FXの特徴や、メリット・デメリット、国内FXとの違いを大まかに掴んで頂けたのではないでしょうか。

日本語サポートや信託保全、そして、利用できる入出金方法、特典やボーナス・ツールなど、トレーダーそれぞれで重視したいポイントが何なのか明確にしておくことで自分に合った海外FX業者が探しやすくなると思います。
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FX初心者の方は、できるだけ最初は少額に抑えて入出金方法やツールの操作方法、サポート体制など探ってみることが大切です。

将来的に本格的に海外FXを展開していきたいトレーダーは、海外FXで使えるあらゆる入出金方法に通じておくことが必須となるでしょう。ぜひ、今回の記事を参考に海外FXへの道を自分に合った方法で開拓していきましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

個人投資家、ライター、アナリスト。海外メディアを駆使した市場リサーチが強み。副業トレーダーを経て、フリーランスとして独立。 株式投資、FX、金プラチナ、債券、外貨預金、ETF・投資信託、不動産などの分散投資を得意とする。