海外FXを始める前に、初心者が知っておくべきデメリットやリスクがいくつかあります。
最近では海外FXでも日本語サイトがあったり、日本語サポートが充実しているので日本でも利用するトレーダーは増えているようです。ただ、海外FXは文字通り国外にある会社のサービスとなるため、国内FXに比べると安全性や使い勝手などが異なります。
ハイレバレッジが魅力の海外FXですが、デメリットやリスクがあることを始める前に理解しておくことが大切です。
海外FXはどうなの?
海外FXとは
そこで、海外FXとはどのように国内FXと異なるのか、どんなサービスを提供しているのかを最初に詳しく解説していきます。
海外FXとは
海外のFXサイトでも、日本語のサイトが用意されていて、口座開設から口座管理、取引、問い合わせなどもすべて日本語で使える海外FXは多いのです。
利用する流れは国内FXと同じ
口座開設をして取引で利益を得て、出金するまでの流れは国内FXとほとんど一緒です。
業者によっては一部のサービスが英語だったりもするのですが、大抵はFX取引に必要な手続きはすべて日本語でできますので、大まかな流れは国内FXとさほど変わらないのです。
海外FXと国内FXの根本的な違い
まず、海外FXを始める上で抑えておきたいのが、海外FXと国内FXでは法的な位置づけが全く異なる点です。
金融庁の認可を得ているのが国内FX
国内FX業者とは
国内に拠点がある以上は、金融庁の認可を得なければFXサービスを提供することができないのです。従って、国内FX業者は一貫して日本の金融商品取引法に従って営業していることになります。
金融庁の管轄外で営業している海外FX
海外FX業者とは
日本に拠点がない以上、日本の金融庁が海外FX業者を日本の法律にて管理することはできません。ですから、根本的な位置づけが国内FX業者とは大きく異なるのです。
金融庁の認可を得ていないなら海外FXは危険?
海外FXは、日本の金融庁の認可を得て営業しているわけではありません。極端な言い方をすれば、外国の会社ですから、別に日本の金融庁の認可を取る必要はないわけです。
金融庁の認可がない=危険だとは限らない
例えば・・・一番わかりやすい例がネットショッピングです。
近年では、オンラインサービスが非常に充実しているため、日本にいても海外のサイトから法律に反しないものであれば簡単に購入することができます。
拠点を置いている国の法律に従う義務はありますが、商品を海外に販売するのは会社の自由です。もし、支店や子会社を日本に設立するのであれば、日本の法律に従って販売しなければなりません。
あえて金融庁の認可を得ていない海外FX業者も多い
海外FX業者は拠点を置いている国の認可を得ている
海外FX業者は、日本の金融庁の認可は得ていませんがそれぞれ拠点を置いている国の認可を得ていることになります。
国ごとにに、金融庁の認可のレベルや基準が異なるため、海外FX業者が保有している金融ライセンスの種類から、ある程度の信用度を測ることができます。
海外の金融ライセンスの例
- イギリス: 英国金融サービス機構 FSA
- イギリス: 金融行動庁 FCA
- 英バージン諸島: BVI 金融サービス委員会
- ニュージーランド: 金融市場庁 FMA
- キプロス: キプロス証券取引委員会 CySEC
- ケイマン諸島: ケイマン諸島金融庁 CIMA
- セイシェル: セイシェル国際ビジネス庁 SIBA
- セイシェル: セイシェルライセンス機関 SLA
など・・・
海外FX業者の金融ライセンスの事情
海外FX業者を金融ラインセンスで判断する際に理解しておきたいことがあります。それは、日本の金融庁からの圧力によって、海外FX業者は規制が緩い国の金融ライセンスへと変更せざるを得ない事情があるということです。
日本人向けのみ金融ライセンスの種類が違う海外FX業者も多いです。定期的に拠点地を変える海外FX業者もあります。
ですから、金融ライセンスのみで海外FX業者を判断することが難しいという事情を考慮しておく必要があります。
安全性を重視した場合には、日本の金融庁によって管理されていない海外FXは、どの業者を選んだとしても国内FXに比べると多少のリスクがあることは否めないのです。海外FXと国内FXの違いについて以下の記事で詳しくご覧になれます。
海外FXは初心者にもおすすめ?
多少のリスクは承知の上で、海外FXがここまで国内で人気がある理由は、やはりハイレバレッジがかけれる点にあります。
FX初心者でも、ハイレバレッジがかけれる海外FXは気になる存在です。そこで、海外FXはFX初心者におすすめなのかどうかが気になりますよね。
国内FXでFX取引を経験してからの方が良い
まず、他に投資経験がある方と全く投資自体が初めての初心者とでは、抱えるハンディが異なります。全く投資経験がない場合、FXだけに限らずあらゆる投資商品が持つリスクの恐さがイメージできない危険性があります。
全く何もわからないFX初心者が、いきなり海外FXを始める場合、わからないことや戸惑うことが一気に倍増してしまいます。
国内FXにて、FX取引や口座の使い方などを学んだ後なら、戸惑いながらも割とスムーズに海外FXを進めていけると思います。
FXのデメリットとリスク
FX初心者の方は、最初に海外・国内を問わずFXそのものが持つデメリットとリスクを確認しておきましょう。
FXは、基本的に少額でもレバレッジがかけれることで多額の為替取引ができる投資方法です。資金以上の取引ができることがFXの魅力です。
ただ、FXはレバレッジがかけれる分、デメリットやリスクも高く、様々な投資方法がある中でもハイリスクの投資方法の1つなのです。
では、具体的にどのようなデメリット・リスクがあるのか挙げていきたいと思います。
安易に稼げるという情報が多すぎる
まず、FXのデメリットとは安易に稼げるという情報があまりにも多すぎることにあります。従って、何も知らない初心者は簡単に稼げる投資方法だと誤解してしまうのです。これがFXの一番のデメリットだといえるでしょう。
初心者でも数億円、数百万円稼げると思わせる情報は、ネットで見てもわかるように氾濫しています。しかし、実際に稼いでいるトレーダーは全体の10%程度だといわれています。蓋を開けてみれば、ほんの数万円が稼げずに悩み苦しんでいるトレーダーの方が多いのです。
そして、稼いでいるFXトレーダーのほとんどは数年以上の経験を積んだ熟練者です。数年かけて試行錯誤し、技術を磨き努力して稼げるようになったわけです。
FX=簡単に稼げる投資ではない
FX初心者はまずは、FXはハイリスクで難しい投資方法だということを理解しておかねばなりません。
レバレッジのリスク
FXの魅力でもあるレバレッジは、使い方を間違えると大きな損失を出す最大のリスクともなり得ます。
国内FXにおいて、最大で25倍と規制されているのは、多額の損失を抱えるFXトレーダーが増えすぎていたためです。日本の金融庁は、ハイレバレッジにてFXトレーダーを守ることを目的に25倍までという規制を制定しています。
国内FXの場合は、確かに海外FXのように数百倍のレバレッジをかけることは不可能ですが、それでもレバレッジがかけれること自体、とても危険な投資方法なのです。
利益を数倍にできるかわりに、損益も数倍に膨れ上がってしまうリスクがFXにはあるのです。
ロスカットのリスク
FXのもう1つのリスクはロスカットのリスクです。
ロスカットとは
一般的にレバレッジをかけて売買を行うFXでは、ともすると為替変動によって預け入れた資金以上の損失を出す恐れがあります。残高がマイナスになれば、それは業者への借金となってしまいます。
残高がマイナスになるのを避けるために、ロスカットを採用することがFX業者には義務づけられているのです。ロスカットはFXトレーダーを守るためにあるシステムですが、少額の資金で高いレバレッジをかけた際にはわずかな為替変動でもロスカットされてしまうというデメリットがあります。
ロスカットが間に合わないこともある
ロスカットがあるからと安心していても、急激な為替変動の局面ではロスカットが間に合わないこともあり得ます。ロスカットが間に合わない程に急激に価格が動くことは、そう頻繁にあるわけではないのですが、起こらないとはいえません。
もし、ロスカットが間に合わなかった場合、残高がマイナスになる可能性があるのです。マイナス分は追証としてFX業者に支払わねばなりません。
為替変動のリスク
FXのメリットとして24時間取引ができることは、言い換えれば24時間つねに為替が変動し続けるというデメリットにもなるのです。
各国の政治・経済・地理的要因などから、為替レートは大きく左右されています。24時間、つねにチャートを見ながら世界情勢をチェックすることは不可能です。
為替変動によって利益が狙える反面、取引をしていない時間でも、為替レートは動き続けていることから知らないうちに損失を出すリスクがあるのです。
スワップリスク
FXでは為替差益だけでなく、各通貨の金利差によって利益を得ることもできます。日本円のように金利が低い通貨にて金利が高い通貨を購入すれば、金利の差額がスワップポイントとして付与される仕組みです。
しかし、一方では金利差によって損する場合もあります。金利が低い通貨から金利が高い通貨の場合は利益になるのですが、金利が高い通貨から金利が低い通貨へ変わる場合は、金利の差額を逆に支払わなければならないのです。
取引通貨が多い場合や、金利差が大きくなる場合は、それだけ損失も大きくなるので注意しなければなりません。
FXその他のリスク
他にもFXのリスクとして・・・
- 注文価格と約定価格がずれるスリッページ
- 売買したくとも売買が成立しない流動性のリスク
- 取引システムに不具合が起きるシステム障害リスク
など、思いがけないところで損失につながるデメリットやリスクがFXにはあるのです。
海外FXの魅力とは?
海外FXでは数百倍のレバレッジがかけれることが魅力になっていますが、海外FXの魅力とはレバレッジだけなのでしょうか。
海外FXの魅力はレバレッジだけではない
国内FXよりもリスクが高いといわれる海外FXに人気が集まるのは、レバレッジ以外でも多くのメリットがあるからなのです。では、海外FXの魅力をここで見ておきましょう。
魅力1.ハイレバレッジ
すでに、ご存じの方も多いように海外FXではハイレバレッジにて取引が可能です。
海外FXでかけれるレバレッジは海外FX業者・口座によって異なりますが、概ね500倍ぐらいが一般的です。中には1000~3000倍かけれる海外FX業者もあります。
口座の種類によっては100倍程度と少ないケースもあるのですが、それでも確実に国内FXよりはハイレバレッジです。
魅力2.ゼロカット
海外FXでは、レバレッジが桁違いに高いため、仮にロスカットに間に合わなかった場合はマイナス額も桁違いに大きくなる可能性があります。
そこで、多くの海外FX業者ではゼロカットシステムが採用されています。ゼロカットシステムとは、万が一ロスカットが間に合わない場合でも残高がマイナスにならないことを保証するシステムです。
海外FX業者がマイナスになった金額を補填してくれる仕組みになっているので、国内FXに比べれば負債を抱える心配がないのです。
魅力3.ロスカットの基準が低い
FXではロスカットによって、思いがけずにポジションが決済されてしまうリスクがあります。国内FXではロスカットの基準は証拠金維持率が50%~100%を下回った時です。
海外FXで魅力になっているのは、ロスカットの基準が証拠金維持率20%~50%と低い点にあります。国内FXよりも不本意にロスカットに合う確率が低くなるのです。
魅力4.NDD方式だから安心
また、海外FXはNDD方式という透明性が高い取引方法を採用しています。
国内FXの大半はDD方式といってトレーダーは為替市場にて直接売買をしているわけではありません。市場の為替相場を基準に各FX業者のシステムにてFX業者と取引を行っています。DD方式では業者が不正操作をしやすい環境にあります。
一方、海外FXのほとんどが採用しているNDD方式なら、トレーダーは世界の為替市場にて直接売買を行うことができます。海外FX業者は取引に関与できない仕組みになっているので安心なのです。
魅力5.高性能の取引ツール
あえて海外FXを好むトレーダーが多いのは、海外FXでは高性能の取引ツールMT4が主流であることも理由になっています。
MT4は約定力が高く、多彩なチャート機能・分析機能が搭載されています。さらに、自動売買プログラムやトレードに有益なプログラムが数多く用意されています。
ほとんどの海外FXでMT4が採用されているので、1度操作を覚えたら、他の業者や口座を使っても覚え直す必要がないのがメリットです。
海外FXのその他の魅力
海外FXの魅力として他にも・・・
- 手厚いボーナスやキャンペーン
- 通貨だけでなく世界中の金融商品に投資ができる
- 国内では探せない高機能のツールが使える
- 世界の市場に参入して公正な取引ができる
などを挙げることができます。
海外FXのデメリット・リスクを徹底解説
いざ、海外FXをはじめる前にまず理解しておきたいことは、冒頭でも解説したように、海外FXは日本の金融庁の管轄外にあるということです。
他にも、海外FXをはじめる前に絶対に知っておくべきデメリットやリスクがいくつかあります。海外FXで安心して取引を行っていくためには、海外FXのデメリットやリスクを事前に把握しておくことが大切です。
1.海外FXは日本の法律で対処できない
日本の法律は原則として、日本国内に拠点がある個人や法人が対象です。そもそも、国内に拠点を持たない海外FXは金融庁の管轄外となるだけでなく、日本の法律で対処することができません。
もし、悪質な海外FX業者を利用して、出金できない連絡とれないなどの詐欺に合ったとしても、警察など国内の公的機関では対処のしようがないのです。
海外FX業者の拠点となっている国の公的機関に相談するしか方法はないのです。
海外FXで詐欺やトラブルに合ってしまえば、あきらるしかない、というのが現実です。
日本の金融庁では自己責任としている
日本の金融庁では、海外FXを利用することを決して推奨はしていません。かといって違法としているわけでもありません。
あくまでも、日本で登録をしていない海外FX業者を利用してトラブルがあったとしても自己責任ですよ、と金融商品取引業法にて定めています。
海外FXの詐欺とトラブル事例
連絡が取れなくなるケース
海外FXのトラブルで一番どうしようもないケースは海外FX業者と連絡がとれなくなるケースです。このケースには2通りのパターンがあります。
- もともと詐欺を目的としているため連絡が取れない
- 業者が経営破綻に陥り倒産したため連絡が取れない
①このパターンでは、出金できない、証拠金が0になっている、などで問い合わせをしても連絡がとれない状況が続き詐欺に合ったことに気づきます。
②後者の場合は、悪意はなかったのですが、出金できない・資金が取り戻せないとなれば結果的には詐欺と同じ損害を顧客に与えてしまいます。
出金拒否されるケース
海外FXで最も多いトラブルが出金拒否です。せっかく利益を出したのに出金できなければFX取引をする意味がありません。出金拒否には3パターンがあります。
- もともと詐欺を目的にしているため出金できない
- 業者が規定している出金方法でないため出金できない
- 規約違反があったため出金できない
①悪質な海外FX業者の場合は、問い合わせには対応するけれどもいつまでたっても出金処理をしてくれないケースがあり結局はあきらめることになるようです。
②後者の場合は、出金方法を変更することで解決できる場合がほとんどです。
③利用している海外FX業者の規約に違反して取引を行ったため、出金拒否となるパターンです。知らずに違反してしまうこともあるようです。
口座凍結されるケース
さらに注意しておきたいのが、口座凍結されてしまうケースがあることです。
- もともと詐欺を目的にしているため口座が使えなくなる
- 規約違反があったため口座凍結される
- 一時的なシステム障害によって口座が使えない
①詐欺に合ったしまった場合は、ある日突然ログインできず口座が使えなくなります。もちろん連絡もとれない状態になっています。
②海外FX業者の規約に違反があった場合、口座凍結されて使えなくなることもあります。
③海外FX業者のサーバー、若しくはトレーダー側のサーバー、通信システムに障害があって一時的に口座が使えない状態になる場合があります。これは、時間がたてば解決できますが、システム障害が原因で損失をつくることもあり得ます。
注意点・対策
海外FX業者の評判を調べる
日本語サイトがあって、国内では名前が知られている人気の海外FX業者であれば、サービスの優劣や相性はあるでしょうが比較的トラブルは少ない業者がほとんどです。
実績がありグローバルに展開している海外FX業者なら詐欺や倒産の可能性は極めて低いといえます。まずはネットで評判・口コミ情報を調べるようにしましょう。国内のネット検索にて名前が出てこない海外FX業者はやめておいた方が無難です。
海外FX業者を選ぶポイント
海外FX業者を選ぶ時には、安全性を確保するために以下のポイントを確認することが大切です。
- 親会社(グループ会社)も含めて金融ライセンスの有無を確認する
- 日本人のサポート担当の有無を確認する
- 日本人向けのサービス経歴が長い業者を選ぶ
- 口座数の規模を調べる(展開している国、総口座数など)
- 信託保全の有無を調べる
といった項目から、利用したい海外FX業者の信頼度を測ることができるでしょう。
2.信託保全制度がない業者もある
海外FX業者のもう1つのデメリット、リスクは、信託保全を採用していない業者があることです。
信託保全とは
信託保全では預け入れた資金は原則として信託銀行に預託され、FX業者が倒産したとしても、信託銀行から払い戻される仕組みになっています。
国内FX業者は、金融庁の定めによって顧客の資産を保証する信託保全制度を採用することが義務づけられています。しかし、海外FX業者の場合は、信託保全制度を採用していない業者もあるので注意する必要があります。
3.入出金方法がややこしい
海外FXは文字通り海外のFX業者とお金のやり取りをしますので、入出金方法に限界があり若干ややこしいのが大きなデメリットだといえます。
国内FXであれば、各業者が提携している銀行口座を使えば手数料も無料ですし、簡単にスピーディな入出金が行えます。
海外FXの場合大まかに3つの入出金方法があり、それぞれの海外FX業者によって利用できる入出金方法や入出金のルールが異なります。
海外FXの入出金方法
海外FXで一般的な入出金方法は大きく3つあります。
クレジットカード
海外FXにて最も利用されている入出金方法はクレジットカードです。クレジットカードのショッピング機能を利用して、購入=資金の預け入れを行うことができます。手数料はカード会社によって異なり、海外FX業者への手数料は無料の場合がほとんどです。
出金時には、海外FX業者が払い戻し・返金処理を行うことでクレジットカードに出金金額が戻される仕組みになっています。
国際決済サービス
次に選択肢となる入出金方法は、国際決済サービスです。以前は使える国際決済サービスも多かったのですが、金融庁の圧力から日本人が海外FXにて使える国際決済サービスは今は限られています。
- Bitwallet
- SticPay
などが使える海外FX業者があります。海外FX業者にかかる出金手数料は大抵無料ですが、国際決済サービスから各自の銀行口座に振り込む場合に手数料がかかる場合があります。
海外送金
もう1つの入出金方法は海外送金をする方法です。入金時には国内の金融機関から、海外FX業者が指定する銀行口座へ。出金時には海外FX業者が利用する金融機関から顧客が指定する国内の銀行口座へ海外送金をすることができます。
ただ、手数料が3,000円程度かかりますので、上記2つの手段が難しい時に選ぶ入出金方法です。
注意点・対策
クレジットカードを利用する場合は、基本的に入金した金額内での出金しかできないので注意しなければなりません。国際決済サービスでも、海外FX業者によっては入金した金額しか出金できない場合があります。
また、海外送金を利用する場合は3~5営業日ぐらいの日数がかかります。
最初のうちは、クレジットカードなどで入金額の範囲で出金できれば問題ないでしょう。稼ぐようになった時にどのような方法で出金が可能かを確認しておくことが大切です。
4.ハイレバレッジで損失額が拡大
海外FXでは数百倍~数千倍のレバレッジがかけれます。ハイレバレッジがかけれることから海外FXを選ぶトレーダーが多いのですが、一歩間違うと非常に大きな損失を出してしまうので危険だといえます。
大きなロットで取引できる分、わずか1pipsの金額が大きくなることに注意する必要があります。
1pipsの金額も大きくなる
例えば、1ドル100円で1pipsがいくらになるかを見ておきましょう。
- 1,000通貨 → 10円
- 10,000通貨 → 100円
- 100,000通貨 → 1000円
仮に100pipsの損失を出したとすれば・・・
- 1,000通貨 → 100pips = 1,000円
- 10,000通貨 → 100pips = 10,000円
- 100,000通貨 → 100pips = 100,000円
注意点・対策
ハイレバレッジでの取引は、実際に使う資金は少額となるためリアルな損失額が把握しづらい傾向にあります。あらかじめ、1pipsでいくらの損失になるのか把握しておかないと、知らないうちに多額の損失を出す可能性があります。
慣れるまでは、少額・低めのレバレッジで取引するようにしましょう。
5.ロスカット基準が低い
海外FXのロスカット基準は証拠金維持率が20~50%となり、国内FXに比べると低めです。ロスカット基準が低ければ容易にロスカットを受けないというメリットになるのですが、一方では損失額が大きくなるリスクにもなります。
海外FX業者の中には、ロスカット基準が0%の場合もあります。含み損を抱えたまま放置しておくと、最悪の場合は資金は0円になってしまいます。
注意点・対策
海外FX業者が設定しているロスカット基準に依存せずに、各自でロスカットラインを設定しておくことが大切です。
ほとんどの海外FX業者が提供しているMT4では、注文時にロスカット値が設定できるようになっています。あらかじめ損切りラインを決めておいて、ロスカット値を設定しておけば安心です。
6.スワップは広めになる
海外FXは国内FXよりもスワップが広めになるのがデメリットです。海外FXでスワップが広めになるのには理由があります。
海外FXは先述したように、NDD方式といって顧客が市場から直接取引ができるシステムを採用しています。NDD方式は、国内FXのDD方式のように業者が顧客と市場の間に入って取引を行うことができません。
海外FXのNDD方式は透明性が高い取引方法になるのですが、FX業者の方で自由にスプレッドが設定できないのです。
注意点と対策
中長期、スイングトレードであればスプレッドの広さはさほど気にならないかもしれませんが、デイトレードやスキャルピングの場合はわずかなスプレッドの差でも利益が左右されがちです。
ただ、ここで考慮しておきたいのが、海外FXの場合はスプレッドが広めでも約定力の高さでカバーできる点です。国内FX業者は、取引において操作が可能なためスプレッドも狭く設定できます。しかし、あえてスリッページさせることで利益を得ているとの噂もあります。
海外FXは、公正な取引が実現できることや、市場に直結できる取引ツールの約定力の高さで、スプレッドの広さをカバーしていると思えば納得がいくでしょう。
7.MT4の操作方法に手間取るかもしれない
国内FX業者が提供している取引ツールに比べると、海外FX業者のほとんどが提供しているMT4は操作方法がやや複雑です。MT4は高性能で多彩な機能が搭載されているのがメリットですが、最初は操作方法を覚えるのに手間取るかもしれません。
基本的な操作のみ使えるようになれば、売買注文は難なくできると思うのですが、どこに何があるのか、どれを押せばいいのか、あまりにも多機能なため項目がたくさんあってわかりづらいのがデメリットになるでしょう。
注意点と対策
MT4の使い方は、海外FX業者のサイト内や、MT4の公式サイト、またネット検索にて使い方ガイドを探すことができます。おすすめはYouTubeで、動画にて使い方をわかりやすく教えてくれます。
確かにMT4を使いこなすまでは大変かもしれませんが、一度使い方を覚えれば、ほとんどの海外FX業者がMT4なので便利です。
また、MT4のチャート機能や分析機能が使いこなせるようになれば、トレードにおいて強力な武器となります。
8.税金が高くなる
海外FXと国内FXでは税金の区分や税率が異なるので、事前にわかっていた方が良いです。いざ稼ぎ始めてFX所得を含めた総所得額が大きくなると、税率が一気に上がってしまうリスクがあります。
国内FXで得た利益は、先物取引にかかる雑所得に区分され、分離課税にて一律20.315%の税金(住民税込み)が課税されています。
海外FXで得た利益は、雑所得ですが給与所得やその他の所得と合算して計算される総合課税となっています。総合課税の場合は、総所得額に応じて税率が5%~45%の累進課税(+住民税10%)が適用となります。
稼げば稼ぐほどに、税負担が極端に大きくなってしまうのです。
注意点・対策
海外FXで稼いでいきたいトレーダーは、海外FXの税金対策をしっかりと検討していくことが大切です。参考までに、海外FXの税金対策の例をいくつか挙げておきましょう。
海外FXの税金対策
- 必要経費を徹底的に計上する(家賃、光熱費の1部など)
- ECN口座の手数料で経費を計上する
- 高額な出費は減価償却する
- 不動産投資で減価償却費を増やす
- 配偶者や家族で口座を使い分ける
- 法人設立して税制控除を活用する
など・・・
誰にでも簡単にできる節税方法は、やはり必要経費を少しでも多く計上することです。普段は経費として見落としている出費でも、視点を変えるだけで経費となる理由を見つけることができます。
経費にするコツは、購入した物やサービスがどのような点でFXと関わっているのか明確に説明できることです。微妙な出費は一部を経費計上することで税務署からの理解を得やすくなります。
まとめ
海外FXはハイレバレッジにて、少額の資金でも大きなロットにて効率よく稼ぐことが可能です。国内にも数え切れないほどのFX業者があるのに、あえて海外FXにこだわるトレーダーが多いのも不思議ではありません。
多少のリスクがあることは否めませんが、それでも長年に渡って海外FXを愛用しているトレーダーもたくさんいます。大切なのは、海外FXを始めてから後悔することがないように、はじめる前にデメリットやリスクを理解しておくことです。