海外FX口座をひとまず1つ開設したら、もう1つぐらい別の海外FX口座をつくっておいた方がいいのか気になりますよね。稼いでいる投資家の多くは、複数のFX口座を併用しているようです。中には5つ以上を使い分けている投資家もいます。
とくに海外FX口座の場合は最低でも2つ3つは作っておきたいものですが、1つでも使いこなせないのに、と戸惑う方もいるかもしれないですね。
もちろん、とりあえずメインで使う海外FX口座は1つに絞っておく方法もありです。複数口座を使った方がいい理由はいくつかあって、若干のデメリットも生じるもののやはり複数の口座を開設しておく方がよいです。
海外FX口座は複数開設すべき?
海外FXへとようやく踏み切って、1つ口座を作ったらひとまず気持ちが落ち着きます。1つの海外FX口座にまずは慣れてきたところで気になるのが、海外FX口座は複数作っておいた方がいいのかということです。海外FX口座もやはり複数口座を併用すべきなのでしょうか。
複数口座を使い分ける投資家は多い
海外FX口座に限らず、金融商品の取引には複数の口座を併用する投資家は多いです。なぜなら、各業者ごとにサービスの利点や取引ツールの使い勝手が異なるからです。
海外FX口座は1つあれば取引は可能ですが、複数口座を併用した方が様々な面で有利です。
口座を複数開設するといっても、同じ海外FX業者で複数の口座を開設してもあまり意味がありません。もちろん、STP口座とECN口座と2つ開設するケースもありますが、とくに海外FXの場合は突如として日本向けサービスが終了したり、サービス概要に変更があったりと不安定な面があるため、必ず複数口座を開設しておくことをおすすめします。
海外FX口座を複数開設する理由
海外FX口座を複数開設した方がいい理由は、多方面から挙げられますが、海外FXのリスクに備えるという視点からまずはご紹介していきたいと思います。
理由1.海外FXのリスクに備える
海外FXはすでにご存知のように、海外を拠点とするFX会社のことをいいます。海外FXには海外FX特有のリスクがいくつかあります。
金融庁からの圧力がある海外FX
日本に拠点・支店を持たない海外FX業者は、日本の金融庁の管轄外にあり、いわば日本の金融サービスを統括する金融庁にしてみれば歓迎しかねる存在となっています。日本の金融庁の管轄外にある海外FXは、日本のレバレッジ規制に従う必要がないため500倍~1000倍程度のハイレバレッジの提供が可能です。
自由奔放に世界中でサービスを展開する海外FX業者の存在を歓迎していないのは日本だけではありません。米国や欧州など金融サービスをリードしている多くの国にとっても、ちょっと問題ありなのです。原則として海外FXで得た利益は一定額以上を超えると課税義務が生じますが、そもそも外国のFX会社となるため、ともすると脱税のきっかけをつくりかねません。(もちろん脱税しても調べられればすぐにバレてしまいますが)
日本向けのサービスが停止となる可能性
海外FX業者の多くが、比較的に規制が緩い国に拠点を構えているのも金融庁対策の1つです。各国に支店を構える海外FX業者でも、日本向けサービスはオフショア系のマイナーな金融ライセンスへと拠点を移したり、中には法人登録のみに切り替える海外FX業者もあります。
金融庁からの圧力だけでなく、思うように口座数が伸びない、気前のいいボーナスを提供しすぎて元がとれない、経営が苦しくなるなどの理由にて、日本からの撤退を余儀なくされてしまう海外FX業者もあるようです。
今は日本で使えていても、先ではどうなるかわからないリスクがあります。
あてにしていた入出金方法が使えなくなる可能性
海外FXでは、入出金方法に変更があることもしばしばです。
例えば、以前は自社でプリペイドカードを発行する海外FX業者も多かったのですが、今はそのほとんどがサービス停止となっています。また、PayPalやSkrill、NETELLERなど海外FXで日本でも使える国際決済サービスは以前は多かったのですが、今は日本では使えなくなっています。
入出金方法を考慮して海外FX業者を選んでいたとしても、ある日突然その方法が使えなくなるかもしれません。最悪の場合は海外送金なら利用できる海外FX業者が多いのですが、手数料が高すぎるため普段の入出金にはとてもじゃないですが使えません。
スプレッドやスワップ、約定力に変更が!
海外FXでは、何らかの理由でサービス概要に変更が起きることもあります。
スプレッドが狭い、スワップポイントが高い、約定力に優れているなどを重視して海外FX口座を選んでいたとしても、
- スプレッドが急に広くなった
- スプレッドが急に狭くなった
- マイナススワップが倍になった
- スリッページが多くなった
- リクオートされるようになった
などがで起こりうるのです。
考えられる理由として、
- 運営会社が変わった
- 親会社が変わった
- 経営陣が変わった
- トップが変わった
- リクイディティプロバイダーが変わった
- 採用するサーバー・システムが変わった
などがあります。
理由2.100%完全に満足できる口座はないから
どの口座も一長一短で何らかの不足がある
- スプレッドは狭めだけど約定力に問題がある
- 約定力は高いけれど入出金方法に問題がある
- トレード環境は満足だけど他の取引ツールが使いたい
- ボーナスやキャンペーンが充実しているけどトレード環境が良くない
- リアルタイムチャートの反映が遅い
- スプレッド、約定力は満足だけど最低入金額が高い
- 最低入金額は安いけれど10,000通貨からしか取引できない
- 1,000通貨から取引できるけれどレバレッジが物足りない
というように、すべての要望に応えてくれる口座は皆無に等しいのです。
理由3.ボーナスやキャンペーンを使い分けるため
海外FX業者ごとにボーナスやキャンペーンの内容が異なる
海外FXではボーナスやキャンペーンが豊富なことも魅力になっていますが、海外FX業者ごとにボーナスやキャンペーンの内容が異なります。また、時期によって特典が倍増するキャンペーンなども開催されています。
1つの海外FX口座だけでは、利用できるボーナスやキャンペーンに限界があります。例えば、入金不要の口座開設ボーナスがもらいたくても、新規で口座開設した時のみ1度きりです。資金を出さずに取引を試してみたい時は、他にも未入金ボーナスを提供する海外FX業者を利用することができます。
入金ボーナスにしても、期間限定で200%ボーナスなどお得な条件で入金できるタイミングがあります。
理由4.取引方法に合わせて資金管理できる
FX取引には様々なタイプがある
FX取引は大きく4種類の取引方法があります。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期トレード
さらに、
- 裁量トレード
- EAを使ったシステムトレード
があります。
複数の取引方法を1つの口座で同時に運用する場合、ポジションの把握や取引状況の確認、資金管理などが複雑になりわかりづらいですよね。
理由5.システムエラーに備えるため
システムエラーが起きれば取引できない
どんなにシステム・サーバーに力を入れている海外FX業者でも、一気に取引が集中した時やシステム自体に何か問題があった時には、システムエラーが生じてしまうリスクがあります。
システムエラーは、ほんの数分程度の一時的なものから、数十分~数時間に及ぶものまであります。ポジションを保有していなければ、単にシステムが回復するまで待てばよい話ですが、せっかくの取引チャンスを逃してしまう可能性があります。
最悪の場合は、ポジション保有中で暴落・高騰が起きた時です。1つの口座だけしかない場合、システムエラーが起きてしまえば、多大な損失を出しかねません。そんな時でも、もし複数の口座があれば急遽、損失をカバーする反対ポジションを保有して対処することができます。
海外FX 複数口座のメリット
海外FXで複数口座を開設するメリットをまとめると・・・
- 1つの口座で日本向けのサービスが停止しても他を使える
- 入出金方法やサービスが変更になっても他を使える
- スプレッドや約定力など比較してチェックできる
- 口座ごとに異なるメリットを総合的に使える
- 口座ごとに異なるデメリットが補える
- ボーナスやキャンペーンがタイミングよく使える
- 取引方法ごとに資金管理ができる
- 資金を分散してリスク管理ができる
- 万が一のシステムエラーに対処できる
など
複数口座を開設するコツは、何を重視してその口座を開設するのか明確にしておくことです。そうすれば、スキャルピングにはこの口座、ボーナス目当てならこの口座、長期トレードにはこの口座などと有効な使い分けが実現できます。
また、普段は使わない海外FX口座でも、システムエラーなどの緊急時に備えていつでも入金できる状態に準備しておくことが大切です。
海外FX 複数口座のデメリット
海外FXでは複数口座を併用するが断然おすすめですが、デメリットもあるので確認しておきましょう。
- 海外FXを始めてすぐは、一度に複数の海外FX口座は使いこなせない
- 海外FX業者ごとに口座の使い勝手が異なるので覚えなければならない
- IDやパスワードの管理が面倒になる
- 資金を分散するので、まとまった資金が捻出しづらい
- 各口座の用途が入り混じってしまうこともある
海外FXに慣れてくれば、ほとんどの業者でMT4を採用していますので、複数の取り引きツールでも使いこなせますが、最初のうちは1つの口座を使いこなすまでに時間がかかります。一気に口座を複数開設すると混乱してしまう恐れがあります。
1つずつ使いこなせるようになってから、口座を増やしていくようにしましょう。
まとめ
海外FX口座は複数開設すべきか悩まれている方は、今すぐでなくともよいので、徐々に口座数を増やしていくことをおすすめします。海外FXを始めたばかりの方は、まずは1つの口座でも手一杯かと思います。とりあえずシステムエラーに対応するためだけでも、予備でもう1つ口座開設しておくといいですよね。
あとは、ボーナス用、スキャルピング用、中長期用など用途に合わせて1つずつ増やしていきましょう。
「MT4マルチターミナル」では、開きたい各口座のIDパスワードを使って各口座にログインできます。ただし、サーバーが異なる複数の海外FX業者に同時にログインすることはできません。取引状況、注文(新規・決済)、チャートなど確認することができます。