海外FXのSTP口座とは?STP口座の仕組みとメリットデメリット

海外FXではよく「STP口座」や「ECN口座」という言葉を見聞きします。「STP口座」「ECN口座」とはいったい何のことなのか疑問に思う方も多いでしょう。

一般的に海外FXではスタンダードなFX口座とスプレッドが狭く手数料が有料のFX口座と2種類があります。

「STP口座」とは海外FXのスタンダードな口座のことで、「ECN口座」とは手数料がかかりますが狭いスプレッドが約束されている口座のことです。ひとまずは、海外FXの基本となる「STP口座の」ことを十分に理解しておくことが大切です。

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今回は、海外FXの基本となる「STP口座」についてわかりやすく解説していきます。ぜひ、この機会に覚えておきましょう。

海外FXのSTP口座とは?

海外FXのSTP口座とは?

一般的に海外FXでは、一部例外もありますが手数料が無料のスタンダードなSTP口座と、ECN口座と呼ばれる手数料が有料の口座があり、大抵はSTP口座とECN口座の2種類が用意されています。

STP口座、ECN口座とは何なのか概要をまずは簡単に解説します。

STP口座とECN口座

最初にSTP口座から見ていきましょう。

STP口座とは

STP口座とは

海外FXのSTP口座とは

STP方式と呼ばれる取引方法を採用した口座のことです。STPは「Straight Through Processing」を略したもので、直接市場に注文が流れる取引口座のことです。発注から売買成立(約定)までの過程はMT4(その他取引ツール)を介して電子的に処理されています。

海外FXでは、このSTP口座が最もスタンダードな口座となります。原則として手数料は無料、実際のインターバンク市場の為替レートやスプレッドが反映され、スプレッドは変動で市場の影響を受けて広がりやすい傾向にあります。加えて、海外FX業者への一定の比率で手数料がスプレッドに上乗せされるため、基本的にスプレッドが広めの設定となるのが特徴です。

価格を決定するにあたっては、各海外FX業者が契約するLP(リクイディティプロバイダー)が提供する価格から最も近いものが約定される仕組みになっています。

LP(リクイディティプロバイダー)とは

インターバンク市場(為替市場)に参加している金融機関のことで、大手だと「Bank of America」「BARCLAY」「JP Morgan Chase」などがあります。どのLPから価格提供が行われるのかは各海外FX業者の提携状況によります。

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つまり、LPが大手で数が多いほど、有利な価格で約定しやすくなるといえます。

海外FX口座を選ぶ時にはLPをチェックするのも1つの方法です。

STP口座にも色々種類がある

STP口座にも海外FX業者によって色々な種類があります。

単にスタンダードなSTP口座を1種類だけ提供している場合もあれば、少額取引用のSTP口座や、レバレッジが異なるSTP口座や、スプレッドが狭めになるSTP口座などがあります。

STP口座といっても、実際にはSTP口座という名称がついているケースは少ないです。それぞれ「スタンダード口座」「マイクロ口座」など海外FX業者ごとに名称は異なります。手数料が無料の口座は基本的にSTP口座だな、と理解しておけば間違えないでしょう。

ECN口座とは

ECN口座とは

ECN口座とは

ECN方式を採用したFX口座のことです。ECNは「Electronic Communications Network」を略したもので、「電子取引ができる取引所」のことを意味しています。市場参加者同士が直接、電子取引によって売買できる取引方法で、電子取引所にて株式売買のように売り手と買い手が直接売買を行います。

ECN口座は手数料が有料となる海外FX口座のことで、STP口座とともに提供されています。ECN口座の場合は、金融機関だけでなく、機関投資家や個人投資家など幅広い層が参加する市場にて取引ができるので、流動性が高く有利な価格で約定しやすい環境にあります。

手数料はスプレッドには含まれずに、別途で課されますのでスプレッドが狭くなるのがECN口座のメリットです。サーバーやLPに力を入れている海外FX業者の場合、国内FXの最狭クラスのレベルで取引が可能となります。

ECN口座の手数料は海外FX業者によって異なります。

概ね安い場合で、片道3ドル前後/ロット。高い場合だと、片道5ドル程度/ロットで課されます。手数料は約定するたびに口座残高から差し引かれる仕組みになっています。

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スプレッドが狭くなり、有利な価格で約定しやすいECN口座はスキャルピングなど短期トレードに最適な口座として使われています。

ECN口座のレベルには差がある

ECN口座といっても、利用する海外FX業者によってスプレッドの狭さや約定力の高さで差が出てきます。どのECN口座でも、同じクオリティではないのですね。

海外FXの場合、どうして地理的遅延が生じますので、ECN口座でもそこまでスプレッドが狭いとはいえないケースも出てきます。東京にサーバーを構えていたり、上質のサーバーやシステムを採用している海外FX業者を選ぶ必要があります。

ECN口座も、海外FX業者にごとに「ゼロスプレッド口座」「ナノ口座」など名称は色々あります。一般的に手数料が有料の海外FX口座は、ECN方式を使ったECN口座だと判断できます。

STP口座とECN口座の違い

STP口座とECN口座の違いを簡単にいうと、手数料の有無とスプレッドの狭さです。

  • STP口座 → 手数料がスプレッドに上乗せ(スプレッドが広い)
  • ECN口座 → 手数料が外付け(スプレッドが狭い)

また、取引する相手が誰なのかという点でもSTP口座とECN口座は異なります。

  • STP口座 → 海外FX業者が提携している金融機関(LP)
  • ECN口座 → インターバンク市場の参加者全員

取引の対象がECN口座では幅広くなるため、より有利な価格で約定しやすくなるのが両者の違いでもあります。

海外FXのNDD方式とは

海外FXのNDD方式とは

海外FXのSTP口座もECN口座もNDD方式と呼ばれる取引システムの1つで、国内FXとは全く異なるシステムが採用されています。国内FXはDD方式(店頭取引)と呼ばれる取引システムが基盤になっています。

NDD方式とDD方式の違いを知ることで、海外FX口座と国内FX口座の根本的な違いがわかります。

  • 海外FXはインターバンク市場で取引を行うNDD方式
  • 国内FXはFX会社の店頭(窓口)で取引を行うDD方式

ここで、NDD方式、DD方式とは一体何なのかを詳しく解説していきます。

NDD方式とは

NDD方式とは

「No Dealing Desk」のことで、注文や約定がインターバンク市場にて直接行われる仕組みのことをいいます。ここでいうDealing DeskとはFX会社の窓口・ディーラー(店頭)のことで、FX会社が取引に介入しないことを意味しています。

STP口座もECN口座もNDD方式での取引方法です。

NDD方式での注文から約定まで

NDD方式では、

投資家が出した注文はMT4を介してインターバンク市場に流れます。次に、海外FX業者が提供している金融機関が提示する為替レートの中から、一番近いものへと注文が送られて、約定する仕組みになっています。

投資家 → 注文 → インターバンク市場 → 取引レートがマッチ → 約定
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つまり、投資家は直接インターバンク市場(為替市場)にてFX取引を行っていることになります。

FX会社は取引にはノータッチ

NDD方式は、大きくSTPとECNとに分かれていますが、どちらもインターバンク市場での取引となり大まかに仕組みは変わりません。

海外FX業者は、価格の提供や約定にはノータッチです。わかりやすくいうと、インターバンク市場にアクセスできるMT4を提供しているだけなのだといえます。投資家は海外FX口座を開設することによって、MT4を介してインターバンク市場にアクセスできるようになるということですね。

NDD方式の特徴

  • インターバンク市場(為替市場)での取引
  • リアルタイムで市場の取引レートが反映される
  • スプレッドは変動制
  • 市場の状況によってスプレッドが拡がりやすい
  • スリッページやリクオートが起こりにくい
  • 透明性が高く信頼できる取引システム
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海外FXのSTP口座は、手数料が無料でもスプレッドの広さがデメリットとなっていますが、透明度の高さからスプレッドが広くても海外FXを選ぶ投資家は多いのです。

NDD方式で取引できることが、ハイレバレッジに加えて海外FXの大きな魅力となっています。

国内FXのDD方式とは

今回はじめて知る方も多いと思いますが、国内FXはDD方式(店頭取引)という取引システムが採用されています。FXは24時間取引が可能で、世界中の為替市場にて取引をしているイメージがあるものの、実は国内FXの場合は各FX会社の窓口にて取引をしているに過ぎないのです。

DD方式とは、

「Dealing Desk」のことで、FX会社の窓口(店頭)にて取引を行うシステムのことです。DD方式は、カバー取引、OTC取引、相対取引などとも呼ばれている方法になり、一般的に「呑み取引」が基盤となっています。

呑み取引とは

知って驚く「呑み取引」とは、

FX会社が顧客から受けた注文を「呑む = インターバンク市場に流さない」ことをいいます。

投資家が取引のために支払った金額は、一旦、FX会社内にて保留されている状態ですね。

もし、投資家が損失を決済したとすれば、FX会社は投資家に戻す金額が少なくて済みます。

注文に支払った金額 - 決済した金額(損失) = FX会社の利益

つまり、投資家が損すればFX会社は儲かる仕組みになっているのです。

おそらく、FX取引は手数料が無料なのに、FX会社はどうやって利益を得ているのだろう、と疑問に思った方もいると思います。実は、「呑み取引」にて国内のFX会社は利益を得ているのです。

もし、投資家が利益を確定したとすれば、FX会社は損してしまいます。従って、すべての注文を呑むわけではなく、成績がよい投資家の注文や勝つ見込みのある注文の一部をカバーしてリスクを抑えているのです。

投資家の利益とFX会社の利益は相反

DD取引は「呑み取引」が基盤となるため、

  • 投資家が損すればFX会社が儲かる
  • 投資家が利益を出せばFX会社は損する

関係にあり、投資家の利益とFX会社の利益は相反していることになります。

国内FXでは、MT4ではなく各社が用意した取引ツールを使うのは、DD方式を採用しているからなのです。一応、実際のインターバンク市場(為替市場)に従って為替レートを提供していますが、自社内で注文を処理しているため、自由にスプレッドの設定が可能です。

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海外FX業者のように、スプレッドで利益を得ているわけではないので、国内FXでは狭いスプレッドが実現できるのです。

DD方式にはネガティブな噂も

DD方式では、「呑み取引」と呼ばれる不透明な取引方法が採用されているため、あえて投資家が損をするような仕組みになっているとの噂もあります。

あえて、スリッページやリクオート、レートずらしのロスカットなどを起こして損失が拡大するようにしている、との声も聞かれています。真相は不明ですが、顧客が損することでFX会社が儲かる、という数式は事実なので若干の不安が残りのが実状です。

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DD方式は取引の仕組みが不透明なので信用できない、安全面などでリスクが高くても海外FXの方が信用できるという投資家も少なくないのです。

STP口座、ECN口座、国内FX口座を比較

口座比較 STP口座 ECN口座 国内FX
板情報 見れない 見れる 見れない
気配値 見れない 見れる 見れない
透明性 NDD取引なので高い NDD取引、市場直接参加型なので100% グレーorブラック
スプレッド 変動、広い 変動、狭い 固定、狭い
取引手数料 無料 有料 無料
約定力 高い 高い 市場の流動性による 低い
リクオート ほとんどない ない 起きやすい
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以下の記事では、海外FXのNDD方式と国内FXのDD方式(OTC)について詳しく解説しています。合わせて参考にして下さい。

STP口座のメリット

STP口座のメリットをまとめると、

  • NDD方式なので透明性が高い取引
  • 顧客との利益相反は生じない
  • 手数料が無料
  • 世界で人気のMT4・MT5が主流になる
  • スリッページやリクオートが起きにくい
  • 世界中の大手LPと提携している海外FX業者も多く、約定力は高めになる
  • FX会社の収入源が明確なため安心できる

などを挙げることができます。

NDD方式のSTP口座は、顧客とFX会社の関係が明確で透明性が高いことが大きなメリットです。基本的にリクオートはなしで故意のスリッページが起きる心配がありません。LPが多い海外FX業者だと約定力も高いため、スプレッドの広さは約定力でカバーできます。

海外FX業者は、上乗せしたスプレッドにて収益を得ていて、顧客と利益相反が生じないため安心できることが評価されています。

STP口座デメリット

STP口座のデメリットは、手数料込みのスプレッドの広さです。

同じSTP口座でも、海外FX業者によってスプレッドは大きく異なります。提携LPが多く、サーバーやシステムに力を入れている海外FX業者であれば、STP口座でも比較的狭めのスプレッドで取引可能です。

ただし、どんなにスプレッドが狭めで約定力が高いSTP口座であっても、多少の地理的遅延は避けられません。スキャルピングなど秒・分単位での取引にはSTP口座は不向きだといえます。

本格的なスキャルピングをするなら、手数料が有料でもECN口座の方が断然有利です。結局のところ、手数料が外付けかそうでないかの違いなので、いずれにしてもSTP口座でもスプレッドに手数料が含まれているのであれば、手数料が経費にできるECN口座を選んだ方が経済的なのです。
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以下の記事では、スプレッドが狭いSTP口座をご紹介しています。ぜひ、今後の海外FX口座選びの参考にしてみて下さい。

まとめ

まとめ

STP口座は海外FXのスタンダードな口座です。海外FXで口座を選ぶ時には、初心者の方はまずはSTP口座から始める方がよいです。また、取引量や取引金額が少ない方もSTP口座で少し時間的に余裕を持ったトレードがおすすめです。

STP口座でも、複数の口座を提供している海外FX業者もあり、それぞれの条件・目的に適した口座を探すことができます。

国内FXではDD方式(相対取引/呑み取引)が主流となる中、海外FXのSTP口座はリクオートなしで約定力が高い取引方法です。スプレッドの広さを約定力で多少はカバーできる部分もあります。FX会社と投資家とが利益相反の関係にはならないことが最大のメリットで、透明性が高く信頼できるFXサービスだといえます。

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ただし、手数料の上乗せ分に加えて地理的遅延からもスプレッドが広がる傾向にあるので、スキャルピングなどの短期トレードには不利であることは否めません。本格的なスキャルピングにはSTP口座は不向きで、ECN口座を使った方がよいのですが、中長期トレード、スイングトレード、時間をかけたデイトレードであれば、STP口座でも十分に対応できます。

STP口座に慣れてきたら、トレード手法に合わせてECN口座も検討してみるとよいでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人投資家、ライター、アナリスト。海外メディアを駆使した市場リサーチが強み。副業トレーダーを経て、フリーランスとして独立。 株式投資、FX、金プラチナ、債券、外貨預金、ETF・投資信託、不動産などの分散投資を得意とする。