海外FXの取引手数料が有料ならpips換算
海外FX業者はほとんどの口座で取引手数料無料でサービス提供していますが、一部の口座では手数料が有料である代わりにその分スプレッドを狭くしている口座があります。では、この場合、手数料無料の海外FX業者の口座と比較する場合には、どうやって比較検討すれば良いのでしょうか?
取引手数料が有料の海外FX口座とは
基本的にMT4のSTP口座の場合は、取引手数料は無料になっていますが、取引手数料有料の海外FX口座も少なからず存在します。
取引手数料が有料になっているケース
ECN取引(電子取引所)が利用できるECN口座
ECN取引というのは電子取引所取引のことで日本で言えば株式売買のようなプラットフォーム上で直接「売り手」と「買い手」がトレードをする取引方法のことです。海外FX業者はECNプラットフォームの業者に利用料を支払う形で導入しているケースが多い為、単純にその手数料分の利用料として取引手数料が発生するのです。トレーダーはその分、スプレッドが狭く設定され、板情報や気配値などが見れるメリットがあります。
スプレッドが発生しないゼロスプレッド口座
ほとんどスプレッドをゼロにする代わりに取引手数料を有料にしている口座です。取引手数料でも、スプレッドでも、変わらないじゃんと思ってしましますが、変動スプレッドの場合、指標発表時などスプレッドが広がってしまうケースが多い為、スキャルピングやデイトレードをする方にとってはスプレッドが重たくなってしまうのです。スプレッドがほとんどゼロで取引手数料だけでトレードができる口座は指標発表時にもスプレッドが広がりにくいので、固定スプレッドのように損失を固定してトレードができるメリットがあります。
はじめから取引手数料有料の海外FX業者
海外FX業者によっては、「取引手数料:有料」を基本としてサービス設計をしている海外FX業者もあります。この場合もスプレッドは狭く設定されていることが多いようです。ただし、この海外FX業者は少数派と言えるでしょう。
出来上がりのトレードコストを計算する
- 取引手数料が無料でスプレッドが広り海外FX口座
- 取引手数料が有料でスプレッドが狭い海外FX口座
は混在しているため、どちらも合わせて比較するためには「出来上がりのトレードコスト」を算出する必要があります。「出来上がりのトレードコスト」は「抜け幅」と表現されることもあります。
出来上がりのトレードコストの算出方法
通常、取引手数料は1ロット(10万通貨)あたりのコストをドル建てで表示されています。
- 取引手数料:5ドル
と記載されている場合には、1ロット(10万通貨)取引をすると5ドルの手数料が発生するということになります。
ここで重要なのは「片道か?」「往復か?」です。
- 取引手数料:片道5ドルの海外FX口座
- 取引手数料:往復5ドルの海外FX口座
では、同じ5ドルでも2倍コストが違うことになります。
ややこしいことに海外FX業者は「片道表記」と「往復表記」も混在してしまっているのです。
取引手数料のpips換算
1ドル≒100円とした場合
取引手数料:1ドル/ロット → 1ドル/10万通貨 → 0.1pips
となります。
つまり、取引手数料はpips換算してから、スプレッドと合算することで「出来上がりのトレードコスト(抜け幅)」を計算することができるのです。
※日本国内のFX業者の場合、取引手数料の基本となるロットは1枚(1万通貨取引)なので上記とはpips換算が異なることに注意が必要です。上記は海外FXでの換算例です。
例えば
- 海外FX口座 A社 取引手数料無料:米ドル/円 スプレッド 1.0pips
- 海外FX口座 B社 取引手数料片道3ドル:米ドル/円 スプレッド 0.3pips
- 海外FX口座 C社 取引手数料往復5ドル:米ドル/円 スプレッド 0.6pips
となっている場合スプレッド換算に直すと
- 海外FX口座 A社 取引手数料0.0pips スプレッド 1.0pips → 合計 1.0pips
- 海外FX口座 B社 取引手数料0.6pips スプレッド 0.3pips → 合計 0.9pips
- 海外FX口座 C社 取引手数料0.5pips スプレッド 0.6pips → 合計 1.1pips
と「出来上がりのトレードコスト(抜け幅)」が一番安い海外FX口座は「海外FX口座 B社」となるのです。
実際の海外FX業者の口座で比較してみる
XM(エックスエム)
スタンダード口座/STP
- 取引手数料:無料(=0.00pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:1.80pips
- 出来上がりのトレードコスト:1.80pips
ゼロ口座/ECN
- 取引手数料:片道5ドル(≒1.00pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:0.45pips
- 出来上がりのトレードコスト:1.45pips
→ XM(エックスエム)は出来上がりのトレードコストは「ゼロ口座/ECN」が有利
AXIORY
スタンダード口座/STP
- 取引手数料:無料(=0.00pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:1.30pips
- 出来上がりのトレードコスト:1.30pips
ナノスプレッド口座/ECN
- 取引手数料:片道3ドル(≒0.60pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:0.30pips
- 出来上がりのトレードコスト:0.90pips
→ AXIORYは出来上がりのトレードコストは「ゼナノスプレッド口座/ECN」が有利
LAND-FX
個人口座/STP
- 取引手数料:無料(=0.00pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:1.20pips
- 出来上がりのトレードコスト:1.20pips
ECN口座/ECN
- 取引手数料:片道3.5ドル(≒0.70pips)
- 米ドル/円 平均スプレッド:0.90pips
- 出来上がりのトレードコスト:1.60pips
→ LAND-FXは出来上がりのトレードコストは「個人口座/STP」が有利
となります。
一番出来上がりのトレードコストが安いのはAXIORYのナノスプレッド口座/ECNということになります。
同じ海外FXでも、「取引手数料:無料のSTP口座」が有利になる場合と「取引手数料:有料のECN口座」が有利になる場合があるのです。
また、注意しなければならないのは取引手数料はドル建てであるということです。円口座の場合にはそのときの為替レートで手数料が発生することになります。
1ドル=100円のとき
- 取引手数料:片道5ドル(500円) → 1.0pips
1ドル=120円のとき
- 取引手数料:片道5ドル(600円) → 1.2pips
とスプレッド換算も動いてしまうのです。
まとめ
海外FXを比較する場合には「出来上がりのトレードコスト」だけでなく
- 約定力
- 約定スピード
- 信託保全
- ボーナス
- カスタマーサポート
- アナリティクスレポート
- VPS無料
- ・・・
と様々な条件で比較する必要があるため、「出来上がりのトレードコスト」だけが重要ということではありませんが、トレード当たりのコストが安い方が儲けは出やすいのは事実ですので、「出来上がりのトレードコスト」も重視して海外FXを比較することをおすすめします。
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