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海外FXのスプレッド比較の注意点
海外FXを利用する方は、デイトレード・スキャルピングトレード・スイングトレードなどの短期トレードが主流で売買の回数が増えてくるため「スプレッドの狭さ」が海外FXを比較検討する上で大きなポイントになっているかと思います。
しかし、この「スプレッドの狭さ」は海外FX業者ごとに表示の基準が違うため、単純に比較できません。ここでは海外FXのスプレッド比較の注意点について解説します。
1.固定スプレッドと変動スプレッド
固定スプレットとは、その名の通り「米ドル/円 1pips」と言えば、どんな状況でも1pipsのスプレッドであることを意味しています。(ただし、「※原則固定」というような但し書きがついているケースもあるので注意が必要です。)
変動スプレッドとは「米ドル/円 1pips~」と一番狭かった時のスプレッド「最小スプレッド」のみが表示されていて、指標発表時や要人の発言後など急激な為替変動があったときに注文が増加するとスプレッドが広がってしまうことを意味します。
変動スプレッドの場合
家電量販店のチラシ「テレビ:1万9800円~」
と同じで、あくまでも宣伝用の最小値になってしまっているケースが多いので注意が必要です。チラシの価格につられて家電量販店に行ってみるとセール品以外の売れ筋商品はもっと高い価格で販売されていることも多いですよね。これと同じなのです。
実際にトレードをすると「なんか思ってたスプレッドより広い気がするな。」と思ってしまうことも往々にしてあるのです。
これは変動スプレッドを選ぶときの注意点と言えます。
変動スプレッドのメリット
- デフォルトのスプレッドは狭い
- 取引が少ないときはスプレッドが狭い
- 変動スプレッドを採用している海外FX業者の方が多い
変動スプレッドのデメリット
- 指標発表時や要人発言後など取引が集中するタイミングでは固定スプレッドよりも広くなる
固定スプレッドのメリット
- 指標発表時や要人発言後など取引が集中するタイミングでもスプレッドが変わらない
固定スプレッドのデメリット
- デフォルトのスプレッドは広い
- 固定スプレッドを採用している海外FX業者は少ない
デフォルトのスプレッドは変動スプレッドより、固定スプレッドの方が広く設定されているので、仮に両社が同じスプレッドだとしたら、変動スプレッドよりも固定スプレッドの方を選ぶべきと言えます。
2.変動スプレッドは平均スプレッドで選ぶ
「最小値しか表示されていない変動スプレッドの海外FX業者はどうやって選べばよいのでしょうか?」
答え:平均スプレッドで比較する
です。
海外FX業者で変動スプレッドを採用している場合、サイト内には「最小スプレッド」と「平均スプレッド」の表示がある場合が多いのです。
「平均スプレッド」は文字通り、変動している変動スプレッドの平均値を表示したものです。
「変動スプレッドなので、変動はあるものの平均値ではこのぐらいになりますよ。」ということを示している値です。
つまり、固定スプレッドと変動スプレッドの平均スプレッドであれば、並べて比較しても問題ないのです。固定スプレットの海外FX業者と変動スプレットの海外FX業者を比較する場合には、平均スプレッドで比較すれば良いのです。
ちなみに変動スプレッドを提供している海外FX業者の中では
- 平均スプレッドを表示していない業者
- 平均スプレッドを表示している業者
と2パターンありますが「スプレッドの狭さ」に自信がある海外FX業者であれば平均スプレッドを表示していることがほとんどです。逆に言えば、平均スプレッドを表示していない業者はそもそも「スプレッドの狭さ」に自信のない海外FX業者とも言えるのです。
狭いスプレッドの海外FX業者を探す最適な方法は
- 変動スプレッドで平均スプレッドを表示していない業者は無視する
- 変動スプレッドの平均スプレッドと固定スプレッドを比較して有利な海外FX業者を選ぶ
という手順を取ることをおすすめします。
3.「取引手数料が有料の口座」の場合はスプレッドに換算する
基本的には海外FX業者も、日本国内のFX業者と同じく「取引手数料は無料の口座」がほとんどです。
しかし、ECN口座や大口投資家用の口座など、一部の口座は「取引手数料が有料の代わりにスプレッドが狭い」口座を用意している海外FX業者もあります。
「取引手数料が有料」の口座を「取引手数料が無料の口座」と比較する場合には、取引手数料をスプレッドに換算して比較する必要があります。
スプレッド換算例
- A口座 : 取引手数料 無料 スプレッド 1.0pipis
- B口座 : 取引手数料 片道3ドル スプレッド 0.5pipis
という口座があった場合にどちらがトレードコストが安いのか?を比較します。
取引手数料 片道3ドルをスプレッド換算
- 往復1ドル ≒ 0.1pips
- 片道3ドル = 往復6ドル ≒ 0.6pips
- B口座 : 取引手数料 片道3ドル スプレッド 0.5pipis
- B口座 : 0.6pips + 0.5pips = スプレッド 1.1pipis
ということになります。
- A口座 : 取引手数料 無料 スプレッド 1.0pipis
- B口座 : トレードコスト合算 1.1pipis
ですので、A口座の方がスプレッドは狭いということがわかります。
ただし、取引手数料の場合は、取引量が増える指標発表時や要人発言後でも変わらないため、変動部分のスプレッドが狭い「取引手数料が有料」の口座の方が、注文が急増するタイミングではできあがりのトレードコストが小さくなるケースもあるので注意が必要です。
「取引手数料が有料の口座」の場合、ECN(電子取引所取引)ができたり、専任のアカウントマネージャーがついたり、VPSが無料で使えるなど、「取引手数料は無料の口座」にない特典があるケースもあるので、できあがりのトレードコストと得られるメリットを合わせて比較する必要があります。
4.「スプレッドの狭さ」よりも「約定力」は重要
「スプレッドの狭さ」は1回のトレードに対するコストになるため、狭い方が良いというのは間違えありません。
しかし、注文したときの価格と約定したときの価格がずれてしまう「スリッページ」は投資家側のコスト負担になります。
スプレッドが0.1pips狭い海外FX業者に口座を作ったとしても、頻繁に2pips、3pipsのスリッページが発生してしまえば、全く意味がありません。
投資家がにとって一番良いFX業者というのは
注文した価格と同じ価格で約定できる約定力の高い(約定スピードの速い業者)
かつ
スプレッドが狭い業者
なのです。
「スプレッドの狭さ」だけを追求していると、「スリッページ」という隠れたコストが発生してしまうケースも往々にしてあるので、「スプレッドの狭さ」と「約定力(約定スピード)」は合わせて比較検討すべきなのです。
5.資金が多ければスプレッドの狭い口座が作れる
海外FX業者が採用しているNDD方式(ノン・ディーリング・デスク)というのは、投資家の注文通りに通貨の売買をする方式です。海外FX業者は国内FX業者と違って、注文をスルーしてその純粋な仲介手数料のみが儲けとなります。
投資家の取引量が増える → 海外FX業者が儲かる
という仕組みになっているのです。
そのため、取引量が多くなる見込みが高い資金が多い(入金額が多い)投資家用にスプレッドが狭い優遇口座を用意しているケースがあるのです。
例
- 最低入金額 1万円 海外FXA社 B口座 米ドル/円 スプレッド1.0pips~
- 最低入金額50万円 海外FXA社 C口座 米ドル/円 スプレッド0.6pips~
といような形です。同じ海外FX業者でも、最低入金額別にスプレッドを変えているケースもあるのです。
自分が拠出可能な資金であれば、最低入金額が高い口座の方がスプレッドが狭くなる可能性があります。
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