FXレバレッジ規制とは?レバレッジ規制の経緯と今後の規制の展望

FXのレバレッジが最大25倍に決められたのは2011年のことです。以前は、100倍~400倍程度のレバレッジがかけれるFX業者も多かったのです。

海外FXでは現在でも500倍、1,000倍のレバレッジがかけれる業者は多いです。金融サービスの規制は国ごとに異なり、国内に拠点を持たない海外FX業者の場合は最大25倍の規制に従う必要がないのですね。20倍程度にFXレバレッジが規制されている国もありますが、日本のレバレッジ25倍はかなり厳しい方だといえます。さらに、今後は10倍に規制されるとの噂もあります。

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なぜ、FXのレバレッジ規制があるのか、日本のレバレッジ規制は厳しいのか疑問に思う方も多いでしょう。今回はFXレバレッジ規制について詳しく解説していきます。規制されることになった経緯や今後の展望も述べていきますので、ぜひ参考にして下さい。

FXのレバレッジ規制とは

FXのレバレッジ規制とは

FXはレバレッジをかけて資金の数倍の取引ができることが大きなメリットです。FXのレバレッジは規制によって最大25倍(個人の場合)までと決められています。25倍のレバレッジということは1万円の資金だと25万円、10万円の資金だと250万円の取引できます。

「最大25倍まで」と定められたのは2011年のこと。それ以前は400倍が標準的な水準でした。最大25倍となるのは個人口座の場合で法人口座だと通貨ペアによって異なりますが、概ね50倍前後から100倍程度がかけられます。

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国内のレバレッジ規制について理解しておくために、FXも含めた各種金融商品のリバレッジを見ておきましょう。

国内FXのレバレッジ

国内FXはどの業者を選んだとしても最大25倍です。

25倍以上かけれるFX業者はありません。外資系の証券会社などでも、日本国内に支店を構えてFXを提供している場合は国内のレバレッジ規制が適用され最大25倍のレバレッジとなります。法人口座の場合は通貨ペアによって30倍~70倍程度です。

CFDのレバレッジ

CFDのレバレッジ規制は2011年に制定されました。

  • 株式CFD → レバレッジ最大5倍
  • 株価指数 → レバレッジ最大10倍
  • 債券先物CFD → レバレッジ最大50倍
  • 商品CFD → レバレッジ最大20倍

上記は個人口座の場合です。最大レバレッジは利用するFX会社・証券会社によって若干異なります。

法人口座でも同様のレバレッジが採用しているFX業者は多いようですが、FX業者よっては50倍~100倍のレバレッジで取引できるCFD商品もあります。

仮想通貨のレバレッジ

仮想通貨のレバレッジは2017年までは制限がなかったためハイレバレッジを提供する業者もありました。2018年4月から、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)によって最大4倍と規制が設けられました。

金融庁が制限しているわけではないため、法的拘束力はないのですが、今のところ最大4倍のレバレッジが標準化されています。

その他金融商品のレバレッジ

他にもレバレッジがかけれる金融商品に先物取引があります。先物取引は直接上場している先物の金融商品を購入する取引方法です。今のところレバレッジは各業者にて設定できる仕組みになっています。

先物取引の最大レバレッジを見ておきましょう。

  • 株式信用取引 → レバレッジ3.3倍
  • 株価指数取引 → 3倍~10倍
  • 金先物取引 → 10倍~30倍
  • 原油先物取引 → 3倍~30倍

先物取引の場合は業者によって最大レバレッジは大きく異なります。

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ここまでは、国内のレバレッジの状況を確認していきました。次に、海外ではどうなのかを見ていきましょう。

海外FXのレバレッジ

海外FX業者の多くは日本に拠点を持ちません。オンラインFXをメインのサービスとして、国外からFXサービスを提供しています。日本国内に拠点がない以上、海外FX業者は日本のレバレッジ規制の管轄外にあります。

海外FXの最大レバレッジは、業者によって異なりますが500倍程度が平均的な水準です。

海外FX業者によっては、1000倍~3000倍のレバレッジがかけれる口座もあります。また、海外FXであっても最大レバレッジが200倍、100倍程度となる海外FX業者・口座もあります。

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というように、国内FXと海外FXでは最大レバッレジの差が断然違ってくるのです。レバレッジを理由に海外FX業者を選ぶ投資家が多いのも納得ですよね。

海外CFDのレバレッジ

海外CFDのレバレッジは商品ごとに各業者によって設定されていて、利用する海外FX業者や取引するCFDの種類によって差があるのが特徴です。

  • 海外株式CFD → レバレッジ最大20倍~30倍
  • 海外株式指数CFD → レバレッジ最大25倍~100倍
  • 金CFD → レバレッジ最大50倍~200倍
  • 原油CFD → レバレッジ最大50倍~200倍
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CFDの場合でも圧倒的に高いレバレッジが海外FXでは可能です。

海外仮想通貨のレバレッジ

海外FXの仮想通貨口座や海外の仮想通貨取引所でのレバレッジも業者によって大きく異なります。

  • 海外FX業者が提供する仮想通貨の場合、レバレッジは5倍~30倍程度が平均的です。
  • 海外の仮想通貨取引所でのレバレッジは最大100倍~500倍程度が平均水準です。
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海外FX業者が提供する仮想通貨のレバッレジは低めで、2,3倍程度となる業者もあります。海外の仮想通貨取引所だと一気にレバレッジは高くなります。

FXレバレッジ規制があるのはなぜ?

FXレバレッジ規制があるのはなぜ?
man
なぜ国内FXでは最大25倍に規制されたの?
man
レバレッジが数百倍の方が確かに投資家には有利じゃない?
man
最大レバレッジは金融庁で管理すべきなの?
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国内FXのレバレッジがいかに低いのかわかったところで、なぜ最大25倍に規制されているのか疑問に思う方も多いですよね。

金融庁がFXのレバレッジ規制に踏み切った経緯には理由があるのです。レバレッジが規制された理由は、レバレッジのリスクを知ることで理解できます。

レバレッジのリスク

では、レバレッジが規制された理由・レバレッジのリスクを解説していきます。

資金以上の損失が出やすい

レバレッジの最大のリスクは資金以上の損失が出やすいことです。レバレッジが200倍だとすると、利益も200倍にできる一方では損失も200倍に拡大します。

レバレッジによる損失額の例

例えば、10万円の資金をレバレッジ200倍で取引したとします。

10万円 × 200倍 = 2,000万円の取引が可能です。

米ドル円を1ドル/100円の時に20万通貨購入(2,000万円分)しました。

1ドルが1円上昇した場合の利益は、

1円 × 20万通貨 = 20万円です。

わずか1円の値上がりでも20万円の利益が狙えます。

しかし、一方では1ドルが1円下降しただけでも損失は-20万円です。ということは資金以上の損失を出してしまうことになりますよね。そもそも資金は10万円で始めていますので、損失額がロスカット基準に触れた時点でロスカットに合ってしまうわけですね。

もし、何らかの理由でロスカットが間に合わなかったとすれば、残高がマイナスになりFX会社に借金をつくってしまうことになります。レバレッジが高くなるほど、資金を失うだけでなく負債を抱えるリスクも高くなってしまうのです。

ロスカットの対象になりやすい

次に理解しておきたいレバレッジのリスクは、わずかな値動きでもロスカットの対象になりやすい点です。

為替相場はつねに変動していて、数分程度でも50pips以上相場が動くこともあります。300倍、500倍と高いレバッレジでの取引はわずかな値動きでもロスカットに合う可能性が高くなります。ロスカットされれば、いうまでもなく資金の大半を失ってしまうことになります。

リスクを理解していないトレーダーが多い

レバレッジのリスクを理解していないトレーダーが意外と多いことも問題とされています。

FX取引はオンライン取引が主流です。インターネット環境さえ整っていれば誰でも簡単に口座開設して取引を始めることができます。FXの仕組みやレバレッジのリスクを理解しないまま安易に始めてしまうトレーダーも少なくありません。

軽視できない損失を抱えるトレーダーもいる

レバレッジのリスクを理解していたとしても、つい許容範囲を超えた損失を抱えすぎて、深刻な破産状態に陥るトレーダーも中にはいます。

数万円、数百万円程度の損失であれば、打撃は受けますが人生が終わるというほどの金額ではありません。しかし、数億円、数百億円の損失だったとすればどうでしょうか。簡単には修正できない損失額で身の破滅といっても過言ではないでしょう。

最大レバレッジが25倍であれば、ロスカットや損失のリスクが低減できます。限られたレバレッジでのFX取引であれば深刻な破産状態に陥るトレーダーも少なくなります。レバレッジ規制は投資家・トレーダーを守るためにあるのです。

FXレバレッジ規制の歴史

FXレバレッジ規制の歴史

国内FXでも2011年にレバレッジ規制が制定される以前、かつてはレバレッジ400倍、あるいは400倍以上でも取引できていました。ハイレバレッジで取引できることがFXの魅力となっていたので、規制された当初は批判する声が多く聞かれていました。

  • そもそも投資は自己責任なので規制は必要ない
  • レバレッジ規制の根拠に不明な点が残る
  • レバレッジ規制以前に改善が必要なサービスもあるのでは
  • 日本国内のFXサービスが衰退する(海外FXへ移行する)

など・・・

レバレッジ規制 金融庁の目的

金融庁では、レバレッジ規制の目的を以下のように公表しています。

(1)顧客保護(ロスカットルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)

(2)業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)

(3)過当投機

の観点から問題があると考えています。

「いわゆる高レバレッジの商品については、僅かな為替変動であっても保証金不足が生じ、顧客に不測の損害を与えるばかりか、業者の財務体質を悪化させるおそれがある。したがって、為替変動を勘案した水準の保証金の預託を受けることを義務付ける等、適切な措置を講ずる必要がある。」

「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」‐ 金融庁

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以上のような理由からレバレッジ規制が開始されたのですが、いきなりレバレッジ25倍に改正されたわけではないのですね。猶予期間としてレバレッジ50倍の期間もありました。

それでは、「レバレッジ最大25倍」に至るまでの経緯・歴史を見ていきましょう。

FXレバレッジ400倍から現在までの経緯

1998年~2010年

国内でFXサービスが開始されたのは1998年です。オンラインサービスの普及にともなって個人投資家のFXへの参入が拡大していきましたが、歴史的にはまだ20年足らずの金融サービスなのです。

開始された当初はとくにレバレッジの規制はなかったので、100倍~400倍程度のレバレッジを提供するFX会社がほとんどでした。400倍のレバレッジということは、100万円の資金があれば4憶円の取引ができます。今でいうFXの「億り人」が多数続出した時代です。

レバレッジ規制の法案 2009年

FX億り人が巷で話題になる一方では、多大な損失に苦しむ投資家も続出しました。

そこで、2009年に「2011年から最大レバレッジを25倍に規制する法案」が内閣府から公表されました。

FXレバレッジ50倍 2010年

まずは猶予期間として2010年の最大レバレッジは50倍に規制されました。これが国内で初めてのFXレバレッジ規制になります。

FXレバレッジ25倍 2011年~現在

そして、2011年8月から「最大レバレッジ25倍」が国内FXにて統一されて現在に至ります。

今後のレバレッジ規制はどうなる?

今後のレバレッジ規制はどうなる?
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今のところFXレバレッジは最大25倍で落ち着いていますが、今後はレバレッジ10倍になるとの金融庁からの報知や噂があります。

レバレッジ10規制に関するニュース・情報をいくつかご紹介しておきましょう。

レバレッジ10規制のニュース

2017年9月 経済新聞

2017年9月 経済新聞

出典:日本経済新聞

2017年9月にFXレバレッジを10倍程度に引き下げる案が出ていることが日経新聞で公表されています。これが2011年以来の最初のレバレッジ規制案となります。「わずか10倍で投資家はどうすればいいのだ!」と波紋を呼びました。

2018年2月 経済新聞

2018年2月 経済新聞

出典:日本経済新聞

続いて2018年2月の日経新聞では、金融庁が2018年の春からFXレバレッジを10倍に引き下げることを検討していると報告されています。この時点ではレバレッジ引き下げに向けて討議するとのことでした。

2018年5月 Bloomberg

2018年5月 Bloomberg

出典:Bloomberg

そして、2018年5月には金融庁は討議の結果、レバレッジ引き下げを見送る方針であることがBloombergによって報告されました。ひとまずはレバレッジ10倍は実行されずに済んでいる状態です。

今後の展望

レバレッジ10倍が見送られた背景には、多くのFX業者からの反対があったとの見解があります。

国内でレバレッジ規制が開始されてから、実際に稼いでいた上級者の多くが海外FXへと移行しています。顧客が海外FXへと流れるのを避けるためにも、最低でも25倍は維持したいとの国内FX業者の思惑があったようです。

近年になってから、日本向けサービスを充実させる海外FX業者も増えてきており、ハイレバレッジで取引できる海外FXが注目されています。レバレッジ10倍規制への可能性は否定できないものの、これ以上の規制は国内FXの魅力を失わせる結果となりかねません。

ただでさえ国を一歩出てしまうと競争力に欠ける日本の金融サービス。金融庁も安全性を守るだけでは金融サービスとして存続していけないと考慮しているはずです。海外FXの利用が違反とならない限りは、おそらく最大25倍レバレッジが当面は維持される可能性が高いといえるでしょう。

まとめ

まとめ

今回はFXレバレッジ規制について解説していきました。

国内FXでは2011年に最大25倍のレバレッジ規制が開始されて現在に至っています。さらにレバレッジ10倍の噂もあります。今のところは見送られている状態でおそらくは最大25倍で今後は落ち着くのではないかと思われます。

初心者から上級者まで、様々なタイプのトレーダー・投資家がいる中、「25倍もレバレッジはいらない」ケースもあれば「25倍ではあまりにも低すぎる」というケースもあるでしょう。

安全にFXで投資を行うには、低レバレッジで取り組むことが大切ではありますが、限られたレバレッジではFXの魅力に欠けることも事実です。海外FXのようにハイレバレッジだからこそ「大きな利益」が実現可能で、それが投資家のモチベーションともなっています。
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とはいえ、海外FXは文字通りに海外の業者となるため、不安要素が大きいことも否めません。今後のレバレッジ対策としては、投資スタイルや投資額に応じて海外FXと国内FXを使い分ける方法を視野に入れておくのがおすすめです。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人投資家、ライター、アナリスト。海外メディアを駆使した市場リサーチが強み。副業トレーダーを経て、フリーランスとして独立。 株式投資、FX、金プラチナ、債券、外貨預金、ETF・投資信託、不動産などの分散投資を得意とする。