海外FXのスプレッドは国内FXに比べると広めになっているのが特徴です。スプレッドが広めだとはいっても、海外FX業者によってスプレッドの設定はそれぞれ異なります。スキャルピングやデイトレードなど小さめの値幅を狙う取引では、スプレッドは非常に重要です。どの海外FX業者ならスプレッドが狭いのか気になる投資家も多いでしょう。
海外FX業者の公式サイトをみれば、ある程度その業者の平均スプレッドが確認できます。ただ、リアルタイムでのスプレッドを公式サイトで公開している海外FX業者もあれば、概ねのスプレッドの平均値を表にまとめている海外FX業者もあります。中にはスプレッドに関する情報が得られない海外FX業者もあり実際のところどうなのかが気になりますよね。
今回は海外FXのスプレッド比較のコツ、どのポイントでスプレッドを比較するべきなのかを詳しく解説していきます。ぜひ、参考にして下さい。
海外FX スプレッドの特徴
スプレッドが狭い海外FX業者を選ぶにあたって、まずは海外FXのスプレッドの特徴を最初にご紹介しておきます。
スプレッドはpipsで表示
まず、海外FXのスプレッドで抑えておきたいのは、通貨の単位は「pips」表示になることです。国内FXでもpips表示が使われることもありますが、円がらみの通貨しか経験がない方には馴染みがないかもしれません。
国内FXよりは広め
海外FXの場合は全般的にどの業者を選んだとしても、国内FXよりはスプレッドが広めの設定になります。仮に狭いスプレッドの海外FX業者であっても、国内の最狭レベルのFX業者に比べれば、やや広めになるのが特徴です。
変動スプレッド
また、国内FXでは原則として固定スプレッドが採用されていますが、海外FXでは変動スプレッドです。変動スプレッドは流動性や相場変動の激しさに左右され、時間帯や時期によってスプレッドが異なります。
ECN口座が使える
スプレッドが拡がりやすい海外FXでは、手数料有料にて最狭スプレッドのECN口座を用意している海外FX業者が多いです。概ねの手数料の相場は「4ドル~5ドル/片道1Lot」です。国内FXにも負けない狭いスプレッドで取引可能です。
スプレッドで見る海外FXの口座の種類
海外FXでは、スプレッドが異なる複数のFX口座を用意していることが国内FXと大きく異なる点です。同じ海外FX会社であっても、口座が変わるだけで採用されるスプレッドは全く違うものになります。
そこで、適切に狭いスプレッドの海外FX口座を選ぶためにも、海外FXの口座の種類をここで確認しておきましょう。
STP口座
STP口座とは
海外FX業者によって、STP口座の名称はスタンダード口座とか名称は異なります。STP口座は、複数の海外FX口座の中で最もスプレッドが拡がりやすい口座となります。
FIXED口座
FIXED口座とは
こちらも海外FX業者によって口座の名称は様々です。FIXED口座は、STP方式とECN方式とそれぞれで用意されているケースもあります。通貨ペアによって固定スプレッドの方が狭くなる場合、広くなる場合とあります。ECNのFIXED口座は手数料がかかります。
VIP口座
VIP口座とは
VIP口座にはECN方式が使われている場合が多く、約定しやすい環境で狭いスプレッドにてトレードできます。手数料は通常のECN口座よりも割安になっています。
ECN口座
ECN口座とは
大抵の海外FX業者はSTP口座とECN口座と2種類が用意されています。ECN口座の場合はインターバンク市場に参加する金融機関だけでなく、多くの投資家・トレーダーと取引できるので狭いスプレッドでも注文が成立しやすくなるのです。
スプレッド比較のポイント
それでは、スプレッドで海外FX業者を比較する際のポイントを解説していきます。
平均スプレッド
海外FXの場合は変動スプレッドとなるので、売買のタイミングによってスプレッドに大きな差が生じがちです。最小スプレッドが狭くても、最大スプレッドが大きすぎる場合もあり得ます。
海外FX口座のスプレッド情報には、最小スプレッドと平均スプレッドと2種類あります。海外FX口座を比較する時には平均スプレッドを重視するようにしましょう。
平均スプレッドの例
最小スプレッド
最小スプレッドとは、一定期間のスプレッド値の中で最も狭くなった時のスプレッド値のことです。一番狭い時の数値となるので、通常は最小スプレッドよりも広くなるケースがほとんどです。あくまでも参考として見ておくことが大切です。
公開してあるスプレッドが最小スプレッドなのか、平均スプレッドなのか確認しておきましょう。
リアルタイムスプレッド
また、海外FX業者の公式サイトではスプレッドの情報が公開されています。公式サイトで公開されているスプレッド情報にはリアルタイムのスプレッドが表示されている場合と、概ねのスプレッド値が表示されている場合とあります。
リアルタイムスプレッドの方がより信憑性が高いデータだといえます。リアルタイムスプレッドが見れない場合は、実際に取引をしてみないと分からない部分があるので注意しましょう。
リアルタイムスプレッドの例
時間帯や市場動向でチェック
リアルタイムスプレッドが表示されている場合でも、時間帯やその時の市場動向によってスプレッド値は大きく異なります。時間帯や経済指標・重要ニュースの発表時など市場動向に応じてスプレッド値をチェックしておくようにしましょう。
また、海外FX業者によって、スプレッドが狭くなりやすい通貨ペアが違ってくるので、通貨ペアごとに海外FX業者を使い分けるのも1つの方法です。
サーバー
次にチェックしておきたいのが、海外FX業者のサーバー・データセンター情報です。高品質の大手ITインフラ企業のサーバーを利用している海外FX業者の場合、約定力も高めで狭いスプレッドが期待できます。代表的なサーバーにはEQUINIX社のサーバーがあります。
海外FXでスプレッドが狭めだったとしても、サーバまでの距離が遠いため地理的レイテンシーによってスプレッドが広めになってしまうこともあります。サーバーの場所は何処なのかチェックしておくことも大切です。東京にサーバーを用意している海外FX業者もあります。
サーバー情報の例
VPSサーバー
地理的レイテンシーを解消する方法としてVPSサーバーを利用する方法もあります。規定の取引量をクリアすると無料でVPSサーバーが使える海外FX業者も結構あります。
条件に満たない場合でも月額使用料でVPSサーバーが利用できます。VPSサーバーの使用料は経費にできます。
約定力
結局のところ、スプレッドの狭さを実現するためには約定力の高さが必要です。スプレッド重視で海外FX口座を選ぶ時は必ず約定力がどうなのか確認するようにしましょう。
公式サイトにて約定力や約定スピードに関する言及があったり、計測データが公開されている海外FX業者は約定力が高いケースが多いです。約定力に関する情報がない海外FX業者はあまり期待できないと判断してよいです。
約定力情報の例
リクイディティプロバイダー
有力なリクイディティプロバイダー(LP)の数が多い海外FX業者ほど、有利な約定が期待できます。リクイディティプロバイダーとは、為替取引先として海外FX業者が提携している金融機関のことです。
代表的な大手LPには「JP MorganChase」「Bank of America」「Destshe Bank」などがあります。
スプレッドが狭い海外FXの選び方
スプレッドが狭い海外FX業者選びの具体的な方法や手順をご紹介しておきましょう。
1.公式サイトの公開データを見る
スプレッド比較で最もベーシックな方法は、各海外FX業者の公式サイトにてスプレッドの公開データを調べる方法です。
一概にはいえませんが、リアルタイムのスプレッド情報を公開している海外FX業者は「スプレッドが狭い」「約定力が高い」傾向にあります。データを公開しているということは、スプレッドの狭さに自信があることの現れだからです。
公式サイトでスプレッドのデータを調べる時には、
- リアルタイムスプレッドかどうか
- 最小スプレッドよりも平均スプレッドが重要
- そもそもスプレッドの情報があるかどうか
以上3点を比較するようにして下さい。
2.比較ランキングを調べてみる
もう1つ比較する方法は、ネット検索にて「海外FXのスプレッド比較ランキング」を調べてみる方法です。比較ランキングはサイトによって判断もまちまちですから、上位にランクインする海外FX業者も様々です。どのような観点でその業者を選んでいるのか参考にしてみるといいでしょう。
ランキングは比較ランキングサイトによって異なるものの、頻繁に名前が出てくる海外FX業者は、スプレッドで評判がいいと判断することができます。
比較ランキングを参考にする時は、
- スプレッドのデータがあるかどうか
- STP口座なのかECN口座なのか
- 信頼できるメディアなのか
などを見るようにして下さい。
3.投資家の口コミ・評判を参考にする
また、比較ランキングサイトではなく、海外FX口座を実際に利用している投資家の口コミや評判を参考にする方法もあります。念入りな投資家のサイトだと、実測のスプレッド値が公開されていたりするので役に立ちます。複数の海外FX業者のスプレッドが比較してあるものもあれば、特定の海外FX業者のスプレッドを公開している場合もあります。
海外FXのスプレッドは変動スプレッドになるので、時期や時間帯によって数値が大きく変わります。正確なデータを測ることはほぼ不可能に近いので、あくまでも参考として見てみることが大切です。
Twitterでも気になる海外FX業者を検索してみると、スプレッドに関する口コミを調べることができます。同じ海外FX業者でも、悪い評判もあれば良い評判もあるので参考になるでしょう。
4.デモトレードで試してみる
実際のトレードでスプレッドがどうなのかは、取引をしてみないと分からないものです。まずはデモトレードでどの程度のスプレッドなのか試してみることもできます。海外FX業者のほとんどがデモ口座を提供しています。デモトレードで利用する取引ツール(MT4/MT5が多い)はリアルトレードで使う取引ツールと同じですから、概ねの手応えが掴めると思います。
デモトレードで試してみる時は、複数の通貨ペアで時間帯を変えて試してみるようにして下さい。デモトレードならノーリスクですし、口座の使い勝手もわかって一石二鳥ですよね。
5.リアルトレードで手応えを見る
そして、スプレッドの狭さを探る一番確実な方法とはリアル口座を開設して、トレードを試してみる方法です。とくにECN口座の場合はデモトレードで実体験することができません。
ECN口座の場合、最小限の取引にてリアルに様子を探ってみることができます。ただ、最低入金額がSTP口座よりも高めで手数料もかかるのでリスクが高いですよね。いざ取引してみてから「これは使えない!」となることもあり得るでしょう。取引を始めてしまってから後悔することがないように、事前のリサーチが非常に重要です。
- 「公式サイトのデータ」
- 「比較ランキング」
- 「投資家の口コミ・評判」
- 「デモトレード」
- 「リアルトレード」
以上がスプレッドが狭い海外FX業者を調べる・選ぶ方法となります。
まとめ
海外FXのスプレッド比較のポイントは、
- 平均スプレッド
- リアルタイムスプレッド
- サーバー
- 約定力
がどうなのかをチェックしてみることです。海外FX業者をチェックする方法には、「公式サイトの情報」「比較ランキング」「口コミ・評判」などがあります。情報収集をしっかり行ったうえで使ってみたい海外FX業者・海外FX口座をピックアップすることができます。
最終的には、それぞれの通信環境や通貨ペア、時間帯や取引手法などによって相性もあるため、「デモトレード」や「リアルトレード」でスプレッドを試してみるとより確実です。ただ、ECN口座の場合は一定額以上の入金額・手数料などがかかるため事前の情報収集に時間をかけるようにしましょう。