海外FXの税金は、必要経費を差し引いたFX利益にかかります。必要経費の金額が大きいほど、課税所得額が低くなり節税することができます。小さい金額でも、必要経費をもれなく計上することが税金を抑えるコツです。
いざ、税金の計算をするにあたって、一体何が海外FXの経費にできるのか疑問に思う方は多いでしょう。
海外FXの節税対策
海外FXなら申告しなくてもバレないのでは?と思わず希望を持ってしまう投資家も結構いると思いますが、残念ながら、海外FXでも申告が必要でバレてしまう可能性は高いです。
なぜバレるのかというと、
などから何かのタイミングで調べられたら、すぐに海外FXでの稼ぎがあることはバレてしまうのです。
もし、無申告であることがバレてしまうと、ペナルティが課されるため本来支払うべき金額以上の税金がかかってしまいます。悪質だと判断されたら、最悪の場合は逮捕されることだってあるのです。
そこで、納税は逃れられないとしても、税額を小さくすることは可能です。海外FXの税金は必要経費を差し引いた分が対象となりますので、いかに必要経費をもれなく計上するかが税額を抑えるポイントとなってきます。
海外FXの税金 計算方法
海外の税金の計算方法は、
となります。
税金がかかる金額は、大まかに給与所得者とそれ以外で分けることができます。
- 会社員・アルバイト・給与所得がある人 → 海外FX所得20万円~
- 個人事業主・学生・主婦・給与所得がない人 → 総所得48万円~
※給与所得者以外は、海外FXを含めたトータルの所得が48万円以上ある場合に課税対象となります。
海外FXの所得区分
海外FX所得は、総合課税の雑所得です。国内FXとは所得区分が異なりますので注意して下さい。
- 海外FX → 総合課税の雑所得
- 国内FX → 申告分離課税の雑所得(先物取引にかかる雑所得)
海外FXの税率
海外FXの税金は、総合課税に該当する所得全部を合算した所得額に税率をかけて計算します。
トータルの所得額に応じて税率が5%~45%で計算する仕組みになっています。
給与所得がある人
給与所得がある人は、
給与所得 + 海外FX所得 = 総所得額
総所得額 × 総合課税の税率 - 控除額・源泉徴収税額 = 海外FXの税金
最初に給与所得など、総合課税で合算できる所得を計算します。
該当する税率をかけて、控除額と源泉徴収されている税額を差し引いた分が納税額となります。
給与所得がない人
給与所得がない人は、
事業所得 + その他雑所得 + 海外FX所得 = 総所得額
総所得額 × 総合課税の税率 - 控除額 = 税金
事業所得やネット通販で得た雑所得などと海外FX所得の総額を計算します。
総所得額に該当する税率をかけて、控除額を引いた金額が納税額です。
できる限りトータルの所得額を抑えることが節税のポイントとなります。そこで活用できるのが必要経費なのです。
経費の計上が節税のポイント
必要経費が多ければ多いほど、総所得額は小さくなります。総所得額が小さくなれば、適用される税率も小さくなり支払う税金も少なくなります。
とくに、
- 海外FXの所得がそこまで大きくない方
- 数千円~数万円の違いで税率が落とせる方
は経費計上を入念にすることで、課税対象外になったり、税率を一段下のランクに下げれたりと節税効果が高くなるのです。
税率が変わらないとしても、所得額を可能な限り抑えることで支払う税金には大きな差が出てきます。どうせ払うのだから、面倒だからと、節税の手を抜いてはいけません。
海外FXで経費にできるもの候補一覧!
それでは、海外FXの経費にできるもの一覧をご紹介します。
経費になるかどうかは、「海外FXに活用しているか?」「海外FXに必要か?」が判断のポイントとなります。
まずは、副業トレーダーから専業トレーダーまで幅広く経費にできるものを簡単に見ていきましょう。
経費にできるもの一覧
- 書籍、新聞、情報サービス、メルマガ
- セミナー、ウェビナー、フォーラム
- 衛星放送、オンラインTVチャンネル
- 海外FX口座の手数料、入手金手数料
- 海外FX各種サービスの利用料、レンタルサーバー
- インターネット回線、プロバイダー、PC関連
- ペン、ノート、文房具、机、イス
- 家賃、光熱費、冷暖房機器
- セミナーや勉強会の飲食費・交通費
- 借入金の利息
- 税理士、会計士への費用
- 英語の勉強にかかった費用
など、思った以上に経費にできるものは多いのです。
※各自の状況によって、一部または全部を経費とすることができます。
※領収書・レシートがないものは経費にできません。
経費にできる条件
簡単に見ただけでも、経費にできるものは多いことがわかりますが、
経費にできる条件はあくまでも、
であることが前提となります。
必要経費にできるものを徹底的に解説!
書籍、新聞、情報サービス、メルマガ
FXを勉強するために購入したFX・経済関連の書籍、日経新聞やウォールストリート・ジャーナルなどの新聞の購読料などは経費にしても問題ないでしょう。
ロイターやBloombergなど経済ニュースサイトの購読料、エコノミストなどの経済マガジンの購読料、ザイFXなどの為替情報サイトの会費、メルマガ購読料など、トレードにあたって必要な情報の入手費用は経費となります。
セミナー、ウェビナー、オンライン講座
FXセミナーに参加するための受講料・交通費・教材費、セミナー会場が遠方にある場合の宿泊費、FX関連の勉強会・懇談会の飲食代・交通費も経費となります。
FX関連のウェビナー、FXオンライン講座、オンライン教材などの費用も経費にできます。
衛星放送、オンラインTVチャンネル
CNBC、日経チャンネルなど経済関連のTVチャンネル、ライブ放送、衛星放送の受信料・視聴料も経費にすることができます。例えば、米大統領選やFOMC、世界経済フォーラムなど単発でのイベント視聴料なども、FXトレードの情報収集のためであれば経費です。
海外口座の手数料、入出金手数料
海外FXでは、手数料有料のECN口座があります。ECN口座の取引き手数料は費用にできます。海外FXで入金・出金する際に金融機関や決済サービスにかかった手数料も経費です。
海外FX各種サービスの利用料、レンタルサーバー
海外FX業者が提供している、有料の分析ツール・チャートツール・情報配信、VPSサーバーなどの各種サービスの利用料金、MT4・MT5の有料EA・インジケーター、売買シグナルの購入費用なども経費にできます。
VPSサーバーを各自でレンタルする場合も、費用は経費になります。
海外FX業者に電話で問い合わせた場合は、電話代を経費にすることができます。
インターネット回線、プロバイダー、PC
インターネット回線、プロバイダー、PC、スマホ、タブレット、モニター、モニターアーム、プリンター、マウス、キーボード、ケーブル、コネクターなど、トレードに必要なインターネット関連の費用もすべて経費にすることができます。
ただし、インターネット関連の費用を経費にする際には注意が必要。なぜなら、FXに関係なく誰でもインターネットは利用しているからです。
トレード状況に合わせて部分的に経費とする
まず、通信費に関してはプライベートでも利用することを考慮して計上することが大切。
24時間中でどれくらいの時間をトレードに充てているのかによって、部分的に経費として計上するようにしましょう。
PC、スマホが1台
PC、スマホを1台ずつ保有するのは最近では当たり前です。PC、スマホが1台ずつしかない場合は、トレードにかける時間に合わせて端末の購入費用の1部を経費計上するようにしましょう。
FXトレード用に購入したものは全額経費で
PCモニターやモニターアーム、ケーブルやコネクターなど実際にFXトレード用に購入したものは、すべて経費で計上して問題ありません。
あくまでも事実に基づいて、一般通念として経費にしてよいのかどうかを判断することが大切です。
ペン、ノート、文房具、机、イス
海外FXでチャート分析をしたり、トレードレポートの作成に必要なペン、ノート、付箋、物差し、消しゴム、修正ペン、ファイル、ソフトウェア、デジタルノートなどの文房具やツールは経費として計上できます。
他にも、FXトレード用に購入した机、イス、棚、電気スタンドも経費になります。
家賃、光熱費、冷暖房機器
自宅でFXトレードをしている場合は、家賃、光熱費、冷暖房機器の購入費用、灯油、ガス代などを1日のトレード時間の比率に合わせて経費とすることができます。
専業トレーダーで1日8時間はトレードに充てているとすれば、24時間の3分の1なので、3分の1を経費としても問題ないでしょう。
他にも、FXトレード用のレンタルオフィスの利用料、別で部屋を借りている場合の賃貸料を経費とすることができます。
借入金の利息
海外FXのトレード資金をカードローンや消費者金融から借入している場合は、その利息分を経費にできます。クレジットカード入金にて、利息がかかった場合も利息分は経費になります。
税理士、会計士への費用
海外FXの税金のみ、または、事業と海外FX、専業FXの税金を税理士や会計士に相談・依頼した場合は、その費用を経費とすることが可能です。
英語の勉強にかかった費用
海外FXのスキル向上を目的として、海外の情報を得るために英語の勉強をする場合は、書籍、スクール、オンライン講座などにかかった費用を経費とすることができます。
経費計上のコツと注意点
最後に海外FXで経費計上する際のコツと注意点をまとめておきました。
経費計上のコツ
- 何かを支払ったら、種類を問わず必ず領収書かレシートをもらう
- 海外FXに関連している消費を徹底して探す
- 意外のものが経費にできる場合もある
- クレジットカード・デビットカードで支払う
- 定期的に領収書やレシートの整理をする
これは経費に計上できていた、と後になって気づく出費も結構あるものです。何に支払ったかはさておき、すべての出費に領収書やレシート(オンラインの支払い明細など)をもらうようにしましょう。
経費計上する上で便利なのがクレジット・デビットカードです。クレジットカード・デビットカードで支払っておけば、取引履歴が残りますので管理が容易です。
また、確定申告ぎりぎりになって経費計上するのは大変です。月ごとに領収書やレシートをわかりやすくまとめておくようにしましょう。
経費計上の注意点
- 判断に迷った時には税理士や会計士に相談する
- トレード日数や総時間数を考慮して経費の比率を決める
- 常識的な範囲で経費計上を行う
- 海外FXとの関連性がきちんと説明できる
- 万が一のために、資料や書類を入念に揃えておく
それぞれの状況や支出の種類によっては、経費にできるかどうか自分で判断するのが難しいこともあります。判断に迷った時は、税理士や会計士に相談するようにしましょう。
「経費になる」と聞いたから、といった安易な理由でヤミクモに経費計上をしないように注意して下さい。できる限り、税務署の疑惑をそそるような要素はつくらないことが一番です。
その出費が、海外FXで必要な理由が説明できること、社会通念に沿っていることが重要なポイントです。
ちょっと微妙かな、と思えるような経費に関しては補足で資料や詳細を添付しておくのも1つの方法です。万が一、税務署から確認が合った時のために、入念に資料や書類を用意しておけば安心ですね。
ちなみに以下の記事では、海外FXの節税対策について解説しています。ぜひ、こちらも参考にしてみて下さい。
[blogcard-url=”https://xn--fx-gh4am7z5bb8033f3i9avodhp6j.com/tax-d88/kaigaifx-setsuzei-taisaku/”]まとめ
節税に取り組むことで、税額が小さくなるということは、何もしないままだと支払う義務がない税金を余計にを払っているのと同じことです。
ちょっと、税金の世界に1歩踏み込んでみれば、やり方次第で税金は最小限に抑えられることに気づくものです。
節税を成功させるポイントは、普段から何かを支払う時には、「これは経費なのか?プライベートの消費なのか?」を常に意識しておくことです。意識しておくことで、選ぶ商品やサービスも変わってきます。「海外FXにも有益でかつプライベートでも使える」ような出費が増えてくるのです。
国税庁は、そんな人間のスキ・怠慢さを狙っています。知らないでいるとどんどん課税されてしまいます。
経費の種類やそれぞれの状況によっては、一部しか経費にできないケースなどもありますので、状況に応じた経費の計上方法も解説していきます。ぜひ、参考にして下さい。